砂場の魔法少女教室開講!
ピンクのフリルを揺らし、ウィッグを整える。
26歳、独身フリーター、魔法少女__そして今日の私は、子どもたちの先生だ。
「今日だけの魔法少女先生、出動!」
砂場のそばに段ボールを机に見立て、簡単な算数のプリントを置く。
子どもたちは興味津々で集まってきた。
「誰、この人?」
「ピピカちゃんだ!」
その声に、花音はにっこり笑う。
「こんにちは! 砂場魔法少女教室、開講です!」
小さな手が挙がる。
「わからないところがあったら、遠慮なく聞いてね」
三つの星と七つの星を数える簡単な足し算からスタート。
「……じゅう!」
花音は大きく頷き、砂に円を描きながら説明する。
「そう、十はまとまりになるんだよ。魔法の数字みたいでしょ?」
笑い声が広がり、子どもたちは楽しそうに問題に取り組む。
途中、砂が舞い上がり、目に入った子が涙目になるハプニングもあった。
花音は慌てながらもハンカチを差し出して、その子の涙を拭いてあげた
「ピピカちゃん...ありがとう!」
今日だけのはずだった魔法少女教室は、気づけば子どもたちの笑顔でいっぱいになっていた。
砂場のそばで、プリントを配り、丸を描きながら説明する私……ピピカを、子どもたちは目を輝かせて見つめる。
授業が終わり、母親のもとへ帰る準備をしていた小さな女の子が、少し恥ずかしそうに聞いた。
「ピピカ……明日もやってくれる?」
胸の奥がまたぎゅっと熱くなる。
アルバイトの疲れも、世間の冷たい視線も、すべて吹き飛ぶ瞬間だった。
「もちろんだよ!」
私はウィッグを軽く揺らし、フリルを整えて答える。
「明日も魔法少女ピピカが、みんなの笑顔を守るんだから!」
家に帰って、録画したピピカを見ながら今日起きたことを考える
今日だけのはずだった魔法少女教室
「明日もやるって言っちゃったし、続行かな」
【今日の魔法:魔法の数字】
私はいつもよりちょっと優しい気持ちで就寝。




