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『The One』  作者: シン
3章
40/279

1話 仕方ない

 レイセ:主人公。

     黒戸零維世であり、クリア・ノキシュでもある。

     融合者。

     契約者。

 黒崎鏡華:プロミネンスと名乗っている。

      ルビー・アグノス。

      融合者。

      契約者。

 黒竜:真名、レムリアス。

    白竜に並ぶ最古の神獣。

    レイセと契約している。

 黒沼直樹:ベル。

      黒羽学園高等部の数学と物理の教師。

      中等部生徒会顧問。

      融合者。

      守護者。

 黄山十夜:春日高校一年生。

      融合者。

      契約者。

      ファガス。

 青井友介:七星学園高等部一年生。

      融合者。

      契約者。

      コナル。

 エウェル:クリア・ノキシュの妻。

      故人。

 リビア:元守護者。

     レイセと北の大地に旅立った。

     聖国クリアを創設した。

 ボーデン・バレット:傭兵団ラーウム所属。

           ソロのBランク冒険者だった。

           閑話に登場。

 ラトス・ミュラ:ルピアスの守護者長。

 クルダム・ゼロス:ノスヘルの元代表。

          文官長。

 フレドリック・ユルロア:連合国クロトの守護者長纏め役。

 ピナンナ・ラクトリ:ノスヘルの守護者長。

 キーシ・キルツス:クベルトの守護者長。

          オアミ、クベルト、ミクトシアは、兵士を仮面の男に皆殺しにされた為、

          一回目の会合には不参加。

          非常に忙しい。

          突然名前だけ出てきます。


挿絵(By みてみん)


 十年後。


 神歴二千三百十年。


「フレドを呼び出してくれ」


「承知しました」

「少々お待ちください」


「クルダム、落ち着け」


「私は裏切られていました」


「仕方無いだろ」

「俺も黙っていた」


「…………」

「フレドを信頼してたんだな」


「そのようです」

「少し話がしたいのです」


「しかし、お前が契約者に成るとはな」

「知識はどの程度把握出来てる?」


「たぶん重要な知識は得ています」

「寿命が無い」

「生殖能力が無い」

「等です」


「選択に迷わなかったのか?」


「ええ、寿命を延ばしたかったのです」

「この国の行く末をもう少し見ていたかった」


「そうか」

「なら、しっかり働いてくれ」


「言われなくても」

「クロト様こそもう少し働いて下さい」


「なんだそれ?」

「俺はしっかりやってるぞ」


「そうです」

「王は手を抜いていません」


「リビア様、貴方は王に甘い」


「王の処理能力なら、もっと多くをこなせる筈です」


「それはそうかもしれませんが、ダンジョン攻略も必要なのです」


「何度もうかがっていますが、何故必要なのですか?」


「それは…………」


「フレドが来たら説明してやろう」


「良いのですか?」


「ああ、そろそろ頃合いだと思ってた」


「そうかもしれませんね」


「何の話かは知りませんが、良い予感はしませんね」


「ビビったか?」


「と、言うよりも、どうせ理不尽な話です」

いきどおりを感じます」


「何を笑っているのです?」

「笑わないでください」


「青い所が面白い」

「笑わずにいられるか」


「ふふ、そうですね」


「リビア様まで」

「そうですね、私が一番年下です」


「百歳を超えると皆大体同じになるらしいぞ」

「プロミが言ってた」


「プロミ様はいつこちらにいらっしゃいますか?」


「もうすぐだ」

「今度は従者を連れて来ると言っていた」


「では、準備が必要です」

「そんな話は決まった時に言ってください」


「さっき魔道具で聞いたんだ」

「いちいち突っかかるな」


 部屋をノックしている。


「入って良いぞ」


 フレドが執務室に入って来た。

 ボーデンもいる。


「で?」

「何の用だ?」

「これからクベルトに出張だ」

「キーシの予定が詰まっている」

「急がないといけない」


「クルダムに話があるそうだ」


「態々王に呼び出させたのか?」

「どんな用だ?」


「私も契約者に成りました」


「おめでとうと言えば良いのか?」

「別にめでたくも無いが」


「フレド、嘘を付いていましたね?」


「そんな話か!」

「当たり前だろ」

「何を青臭い事言ってる」


「むう、嘘の報告をしておいて弁明は無いのですか?」


「無いね」

「必要だった」

「話していたら、拷問されていた」


「私はそこまでしません」


「あんたの周りはどうかな?」


「…………」


「俺はあんたを買っている」

「失望させるなよ」


「…………」


「その位にしておいてくれ」

「俺からも話がある」


「たぶんボーデンは気付いてる」

「ボーデン、何の話か解るか?」


「貴方のもう半分が何処から来たか、と言う話でしょう?」


「そうだ、やはり察しが良いな」


 俺は黒戸零維世について、もう一つの世界について、『ロストエンド』について話した。


 全てだ。


「驚かざるを得ませんね」

「異世界とは」


「…………」


「…………」


 フレドとクルダムは絶句している。


「話は以上だ」

「フレド、ボーデン、行って良いぞ」


「…………」

「あんたはいずれ向こうに帰るのか?」


「リビアとプロミがいるこの世界を選ぶ」


「それを聞いて安心したぜ」


「…………」

「これからは、ダンジョン攻略に協力しましょう」


「ああ、話が通じて良かったよ」


「じゃあ、クベルトに行ってくる」


「ボーデン行くぞ」


「ちょっと待て、リビア様に会ったんだ、挨拶させろ」

「リビア様、今日もお美しい」


「ええ、ありがとうボーデン」

「気を付けて」


「人妻を夫の前で口説くなよ」


「これだけは言わずにはいられません」

「では行ってきます」


「ああ、気を付けてな」


 二人は部屋を出て行った。


「ボーデン、あいつモテるだろうな」


「そうですね」

「レイセもあのくらいハッキリ言ってくれると嬉しいのですが」


「リビア、お前はいつも美しい」


「まあ」


「オッホン」

「私も退出しますので、その後にしてください」




 二か月後、プロミネンスが来た。


 豪奢ごうしゃな馬車に二台、九人連れて来ていた。



 俺は大陸を繋ぐ橋を建設していた。


 それを渡って来た。


 ちなみに馬車のタイヤにはゴムが、車輪等の軸受けにはベアリング、揺れ防止にサスペンションが使われている。


 それでも揺れるが。



 連絡が有ってから、わずか二か月でたどり着くとは。


 俺はプロミネンスの顔が見たかった。


 久しぶりだ。


 自分で出迎えた。


 馬車から従者が下りてくる。


 プロミは最後だ。



 降りてきた。


「長旅お疲れ様だな」


「そうね、二か月も掛ったわ」


「距離を考えると相当早いけどな」


「まあ、そうね」

「急いだわ」


「顔を見せてくれ」


「なに?」

「見えてるでしょう?」


「もっと近くでだ」


「ああ」

「良いけど」

「後でね」

「まずは中に入ってから」

「従者達の紹介もしたいし」


「お前の従者は殺気の消し方を知らないのか?」


「隠す気が無いのよ」


「はあ、先が思いやられるな」


「貴方の困った顔が久しぶりに見れていい気分よ」


「ちゃんと手綱を握っていてくれよ」


「それは大丈夫、狂信者ばかりだから」


「だからだろ」

「まともな奴もいるんだよな?」


「いる訳無いでしょう」


「いないのかよ」


「ええ、いないわ」


 プロミネンスはいい笑顔で言い放った。


 いい笑顔が見られて俺はうれしい?



 広間で従者の紹介を受ける。


 リビア、フレドリック、ボーデン、クルダムもいる。


「貴方たち、私の夫になる人なんだから、ちゃんと自己紹介してよね」


「…………」

「まずは私から」


「私は、ノイトル・ロベスト」

「従者長を務めています」


「私は、ヒルデ・ガントです」

「神官長です」


「ロウル・ヒスリー」

「従者兼料理人」


「クアクル・ロウナー」

「同じく従者兼料理人だ」


「私はカシアル・シュースです」

「従者兼裁縫士です」


「私はカシアルの弟子のスレガリン・ラウナルです」

「従者兼裁縫士です」


「リメア・ラメウスです」

「神官兼付き人です」


「ヒメア・ラメウスです」

「リメアとは姉妹です」

「神官兼付き人です」


「従者長と神官長ではどちらが上なんだ?」


「今回は従者長が上よ」

「ヒルデ」

「納得したのよね?」


「ええ、もちろんでございます」

「女神様」


 ヒルデの殺気は一切弱まっていない。


 たぶんこいつが一番ヤバい奴だ。


 神官姉妹も殺気を俺に向けて来ている。


 理性よりも気持ちが勝っているんだろう。



 従者長は御しきれるのか?


 ダンジョンにプロミネンスを連れて行くと言ったら、こいつらはどうするつもりか?


 不安しか無い。


 俺も殺気を出しておくか。


 ヒルデに向かって殺気を出した。


 最悪、飛び掛かってきたら、殺そう。


 そう思った。



 ヒルデが後ろにジャンプした。


 やる気か? 


 俺の間合いからは出ていない。


 もういい、やろう。


「ちょ、ちょっと待って!」

「ヒルデ!」

「解ったでしょ?」


「……はい、申し訳ないです、女神様」


「私に謝らないで、彼に謝って」


「申し訳ないです、クロト様」


「そうか、殺気が止んだな」

「ならいい」


「はは、どうなるかとヒヤヒヤしたぜ」


「怒っている王を初めて見ました」


「心臓に悪い」

「リビア様」


「ええ、彼は完全に殺る気に成っていました」


「リビア、解ってるわ」

「怒らせるとああ成るのね」

「私も初めて見た」


 リビアは具現化した剣を消した。


 プロミは具現化した盾を消した。



 やれやれだ。


読んで頂き、ありがとうございます。

もし面白いと思って頂けたら、ポイントやブックマークをよろしくお願いします。

作者が喜びますので、是非。

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