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お出迎えと再会
青葉高校内の駐車場に到着した清音と華蓮は下車して菊田を待っていた。
「あっ、菊田さん」
菊田が佐藤を伴って清音らの元へ歩み寄ってきた。
「お嬢、すみません!」
菊田は華蓮に深く頭を下げた。清音は「私が選句で一人になりたかったから」と華蓮に耳打ちし、菊田が自分を放ったらかしにしていた訳じゃない事を伝えると佐藤に近づいた。
「オバンになったね」
「私まだ誕生日来てませんから、清音先生」
佐藤は清音の背中を触り、控室である第一学習室へと案内した。
「菊田さん、清音先生を自由にさせ過ぎ!」
「いや、選句の邪魔になるからって」
華蓮は菊田に何を言っても仕方無いと諦め、車に乗り込んだ。
「お嬢、お気をつけて」
一礼する菊田にクラクションで応え、青葉高校を後にする華蓮であった。