第7話 旅立ち
「信じろなんて言っても信じないかもしれないが、お前が生まれてからずっと同じ夢を繰り返し見るようになった。いつかは、わからないが、お前一人が生き残り、村が全滅する夢だ……最初は夢だからと思っていたんだが、お前が成長するに従って、夢で生き残っているやつに似てくるんだ……」
自分に似てる生き残りの夢を見ていたという……両親共に、ひょんな話の流れで、お互い同じ夢を見ていることを知り、こうやってメッセージを残すことにした……ということだった。
「この部屋には隠し扉がある、お前ならば開けるはずだ……まぁ、そのあとは頑張れよ。」
そういうと、映像は次第に消えて言った、微笑み合い、手を振りながら……その光景は満足そうだった……。
とりあえず、隠し扉がどんなものかわからないので、探そうとした矢先、
「カイロ、装備はしっかりね。食べ物はなんとかなるからね。」
と、母親の声が、部屋に響き渡った。意味がわからないし……
「意味わからんという顔してるが、言われた通りにしろ」
今度は父親の声だ……感動の別れはなんだったのだろうか……
「まぁ、おまえのことだ、感動的な別れをしたところで気にしてないからこうして音声だけ、まだ、記録してたんだけどな。」
なにから、何までお見通しか……
「おやだからな。」「おやですから。」
同時にいう声
よくわかっていらっしゃる……さすが親ってところか……さて調べるか……てか、音だけって……
その後、声がすることはなく、部屋の中を調べていく。
「とりあえず、最初はやっぱりあの袋だな」
そう言って、鎧の下に置かれている、袋に手を伸ばし、袋を開けると……
細かな彫刻が、刀身にされた、ブロードソードが一振りと、指環が入っていた。
それと一緒に手紙まで。
まとめていうと、試験終了、おめでとう!これであなたも一人前の大人になったので、父からはブロードソード、母からは指環の贈り物をしますと。
そして部屋の中を色々と漁っていくのだった……
そうこうしてる時に、隠し扉も一緒に見つけたのだった……