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第6話 失意の後

「カイロ!朝よ!いつまで寝てるの?」

………………

………………


ボーッとしていると今度は男の声で


「早く起きてこねぇか!飯全部食っちまうぞ!」


………………次の瞬間、何も置かれてない、リビングのテーブルに座っていた。目の前には親父とお袋が並んで座っている。


ふと、二人の顔を見る……両親は俺をみて、微笑んでいる…何も会話がない……そんな時が無限に続くのかと思えた。そんな中、両親は顔を見つめ合い決心したかのような表情で俺を見つめてきた。


また、場面が変わる。椅子に座っておらず、三人とも立っていた、そして意を決した表情のまま二人はある場所を指差していた。


その場所を見ると豪華な装飾のしてある銀色の扉がそこにはあった……地下室に向かう扉だ。そこには未だ入ったことがなかった。親父が常に鍵を掛け、鍵を持っていたからだ……



両親の顔を見上げると、両親は何も言わず、微笑んで頷いた。そして、また、別の場所をお袋が指し示した。


指し示された方を見ると、暖炉があった…訳もわからず両親の方を振り返るとそこにはもう、誰もいなかった……



「親父?お袋?オヤジぃいい!オフクロォォオ!」



叫んだ瞬間景色が暗転しすぐに目を覚ました。

昨日は泣きながらそのまま寝てしまっていたようだ……


昨日は暗かったからあまりよくわからなかったが、朝日で村全体が照らされて、詳細がはっきりわかった。


目の前には焼けた村があるだけだった。


(夢か……やっぱりこっちが現実だよな……)


夢でも、両親に会えてよかったかな……


とりあえず、夢で見た場所に行って見ることにした。

えっと……地下室の扉は……ここら辺だったかな……灰を掻き分けると、そこにはいつもの地下室への扉があった。


精巧な飾り細工が施されたその扉は、昨日の業火でも形が歪んでたりしていなかった……ただ違ったのは青白くうっすら輝いていたことだ。


そんな扉を開けようとするが開かない……鍵はかかっているようだ……あとは暖炉だな…暖炉は、石でできていたので、少しは形が残っていたから分かり易がった。


暖炉を調べてみる……暖炉を作っている石にはとくに変わったところはない…床面の灰を掻き分けてみると…そこには青白く光る手が入るか入らない程度の小さな綺麗な細工が施された扉があった…



こんなとこにも扉があったのか……ゆっくり開いてみると……そこには鍵が収められていた。その鍵も精巧な細工が施されていた……



その鍵を持って、地下室の扉へ向かい、鍵を差し込む…そして回すと……(カチリッ)

そして、扉をゆっくり引くと……開いた……


扉の先には階段が繋がっていた。


ゆっくりと薄暗い階段を降りていくと、だんだんと明るくなっていく……階段を降り切るとそこには明るい小さな物置の様な小部屋があった。


右手の壁際には小さなテーブル、その奥には本棚。左の壁には鎧が飾られていた。そして、その下にはあの袋が……ただ、その空間はなんとも言えぬ今まで味わったことのない空気であった。


恐る恐る部屋へ踏み入っていく……すると地面から人が現れた。それは、見知った人物だった。言葉が漏れる……


「おやじぃ……おふくろぉ……」


そう、目の前に現れたのは親父とお袋だった…二人はニッコリと笑みを返した、俺の言葉に反応したように……そしてすぐさま。


「準備はオッケーだな…さて、今目の前にいるのはカイロの筈だ、そうだな?カイロでなければこの映像は流れない……」


「え?映像?」


意味がわからなかったがたしかによく見ると、体が少し透き通っている……


「いま、この映像を見ているということは、おそらく俺たちは生きてはいないだろう……」

11月末から、1月末まで諸事情により、休載します。二月から、また、がんばります。

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