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天と白の勇者達

番外編 ドラゴンズに愛を語る

作者: 秋月煉

初めての企画参加です(;^_^A 楽しんで頂けたら、幸いです。ツッコミ等は、スルーでお願いしますm(__)m

バレンタインデーまで、後一ヶ月といった今日。

あたし達4人は、クラリオン王国城内の、翔太の部屋に集まって、来月のイベントの為に、話し合いを始めた。


「さて、第一回バレンタインデー緊急会議を始めます!」


あたしの言葉でスタートした、緊急会議。メンバーは、あたしこと、第一勇者の天城咲希。魔法タイプの勇者よ☆


「バレンタインデーって………、ヒスイ達はチョコ食べれないよ?」


との発言は、第二勇者の白鳥和磨くん。護りを得意とする、後衛タイプの勇者よ。ヒスイって言うのは、和磨くんがお世話してる、エンシェント・ドラゴンさんから預かっている、赤ちゃんドラゴン達の一匹のこと。風のドラゴンで、スッゴく可愛いの☆


「確かに、アカネ達はチョコ、食べれないね………」


残念そうに話したのは、可愛らしい少女。第三勇者の神白優香ちゃん。実は実家が剣術道場で、可愛らしいのに前衛をしてる、ある意味ビックリな勇者。彼女が世話をしてるのは、アカネという火属性の赤ちゃんドラゴン。


「あのなぁ、俺達じゃ分からないんだから、エンシェント・ドラゴンに聞けばいいだろ?」


呆れたように言ったのは、何と2回目勇者である第四勇者、天宮翔太。バリバリ前衛をする、頼もしい存在よ。………………ちょっとバカだけどね(笑)

因みに、翔太の部屋になったのは、和磨くんの部屋も、あたしの部屋も、本が大量にあって、散らかってるから。優香ちゃんの部屋は、可愛らしいから、男子二人が遠慮したのよ。だから、消去法で翔太の部屋になったの。派手なのはご愛嬌で(笑)

因みに、翔太がお世話をしてるのは、カイトという水属性のドラゴンよ。


「あっ、確かにそうよね?」


何で気付かなかったのかしら? 早速、指に嵌めてる青い光沢を放つ指輪に、魔力を込めて話し掛ける。この指輪、エンシェント・ドラゴンさんに直通なのよ。


「もしもーし、エンシェント・ドラゴンさ〜ん、聞こえてますか〜」


『…………なんじゃ? その声は勇者か? 聞きたい事でも出来たのかえ?』


優雅に聞こえるのは、この国に住むエンシェント・ドラゴンさん。今は、とある事情で負った傷を癒す為に、体を休めてる。


「えっと、人間の国のイベントで、感謝を伝える日が来月にあるんです、そこでチョコレートを贈るんですが、ヒマリ達に贈りたいんですが、大丈夫でしょうか?」


あ、因みにヒマリっていうのは、あたしが世話をしてる、光属性のドラゴンよ。本当に可愛いんだから!


『うむ、チョコレートとやらは、何だろうか?』


あら、そうか。そこからなのね?


「人間が作るお菓子です、カカオから作る甘い茶色の塊です」


『ふむ、それに魔力を込めたら、食べるのではないか?』


……………え? そんな単純な方法でいいの?


「えっと、大丈夫なんですか?」


『魔力が大量に含まれているなら、問題ないぞ? 属性により、好き嫌いはあるだろうが』


とのお言葉より、あたし達は特別なチョコレートを、ドラゴンズの為に、作成する事になったわけ。ヒマリ、皆、頑張って作るからね☆

あたし、頑張っちゃうわよ! 燃えて来たわ〜♪


「おいっ!? 物理的に燃えないでくれ! ここは俺の部屋だぞ!?」


なんてオチがあったけどね(笑)



◇◇◇◇◇



まずは厨房に行って、隅を貸して貰う。コック長には、たまに借りて居たためか、あっさりオッケーが出た。いつも借りる時、お菓子を振る舞っていたからね…………。


「さて、まずはチョコレートに魔力が入るか………よね?」


「入るかな?」


あたしと優香ちゃんが顔を見合わせていると、和磨くんは微妙な顔。翔太はキラキラと目が輝いている。間違いなく、楽しんでるわね。


「とりあえず、やってみようぜ!」


「まさか、男子の僕達がチョコを作るとか、ビックリだけどね」


成る程、和磨くんはそれで微妙な顔だったのか。申し訳ないね、君達。翔太がヤル気満々なのが、幸いだけどさ。


「まずは、そのままで魔力を入れてみようか」


あたしの言葉で、最初に翔太がチョコの塊に魔力を入れてみる。


「んー? 何か抵抗半端ないぞ?」


つまり、最初の塊はダメって事ね。


「次は刻む時ね」


勿論、翔太がしたわよ? まだ実験段階だから、不恰好でも問題ないしね。


「おっ、さっきよりはマシかな、でも抵抗はあるな」


なら、次は溶かす時ね。湯煎でチョコを溶かしながら、魔力を入れていく。


「おー! スラスラ入るぞ! 抵抗が消えた!」


あら? じゃあ、液体のチョコなら、魔力を込める事が出来るって事か。


「最後は型に入れて、固める時ね」


が、ここで問題が生じた。


「チョコに魔力が通らねーぞ!!」


何と、一度溶かすと、チョコは魔力が通らないらしいのだ。


「じゃあ、溶かした時に入れないといけない訳か…………」


まあ、そんな訳で、ちょくちょく練習をしていたら、あっという間に、当日が来ちゃった訳だ。



◇◇◇◇◇



2月14日、バレンタインデー当日。

前日に、皆で完成させた魔力入りチョコレート。面白い出来栄えになりましたとも……………。


「さあ、皆! あたし達に懐いてくれて、いい子でいてくれる、ヒマリ、カイト、アカネ、ヒスイに、日頃のお礼にプレゼントよ!」


あたしの掛け声で始まったのは、バレンタインデーのお礼お茶会。翔太の部屋で、あたし達だけでやってるのは、トラブル回避の為よ。まあ、翔太の部屋が派手だから、もあるけどさ(笑)


「カイト、いつもありがとうな! これからも宜しくな?」


「キュッ!」


翔太もカイトも嬉しそうね。カイトったら、ヨダレが出てるわ………。喜んでくれて嬉しいわ(笑)

箱を開けてみたら、翔太の魔力の色である綺麗な青色。何だか違和感があるけど、カイトが喜んで食べてるから成功ね!


「アカネ、いつもありがとう♪ これからも宜しくね☆」


「キュー? キュッキュー♪」


次は優香ちゃん。火のドラゴンであるアカネは、嬉しいのか尻尾をブンブン勢いよく振っている。箱には、優香ちゃんの魔力の色たる、ピンク掛かった赤色のチョコ。形はハートで可愛いチョコよ。


「次は僕だね、ヒスイ、小さな君は今、僕の自慢の子になったよ、これからも宜しく」


「キューキュー!」


和磨くん、穏やかなその姿に、ヒスイもスリスリと、和磨くんに甘えている。箱には、淡い緑色のチョコが入っていて、それを見たヒスイは目が輝いている。あ、ヨダレ…………。

そして最後は、あたしの番。


「ヒマリ、いつもありがとう、本当に貴方と出会えて良かった、これからも宜しくお願いします!」


「キュッ! キューキュー!」


嬉しいのだろう。ヒマリはあたしに物凄く甘えてきて、美しい黄色の鱗をスリスリしてくる。箱には、何と、何故か出来た金色のチョコが、金塊よろしく、箱詰めされている。あたしの魔力の色は、光るような色なのは分かるが、金色……………。食べれるとはいえ、かなりビビったわ。もう、色がね、芸術的な何かに見えるわ。


「何か、咲希のチョコ、明らかに純金に見えるんだけど…………」


顔を引きつらせた翔太、目端がいいのね? 確かに自分の魔力とはいえ、これは食べるのに勇気がいるわ。


「ヒマリ☆ あ〜ん♪」


「キュ〜♪」


パクリと食べたヒマリは、美味しそうに目を細めて、顔が緩んでいる。あぁ、可愛いわ〜。癒される〜。


「お前等も旨いか?」


「「「キュー!!」」」


どうやらチョコは成功らしい。満足げに顔を弛ませているドラゴン達は、もっとくれとおねだりしてくるほど。本当に可愛いわ〜♪

と、何やらドラゴンズが、モゾモゾと動き始める。


「皆、どうしたの?」


優香ちゃんが問うと、ドラゴンズは何かを我慢するように、小さくなっている。

えっ!? さっきまで元気だったのに、どうしたのよ!?


「〜〜〜〜〜〜っ」


「皆、どうしたの!? 何が起きてるのよ!」


パニック状態である、あたしら勇者達だけど、冷静な勇者、和磨くんによって動きを止めた。


「これ、ゲップじゃない? 赤ちゃんがやるよね?」


………………え? そっち?

恐る恐る見た瞬間、それは起きた。起きてしまった。


「キュエ〜〜〜〜〜〜〜〜!」


アカネの鳴き声と共に、口からは巨大な火の玉が出現する。


「キャー! アカネ、危ない!」


優香ちゃんの悲鳴に、それはすぐさま、翔太により消火された。ちょっと何事よ!?


「キュ〜〜〜〜〜〜〜〜!」


今度はカイトが我慢の限界とばかりに、口をガバリと開けて、巨大な水の塊が現れる。


「カイトッ!? 流石にそれは俺も無理だっ!」


翔太の悲痛な声に、和磨くんが風を器用に操って、水を窓から外へ捨てた。ナイスよ! 和磨くん。


「キュッキュ〜〜〜〜〜〜〜〜!」


次はヒスイで、口から鳴き声と共に、翔太の部屋の中で、吹き荒れ始める。


「お、俺の部屋が〜〜〜〜〜!」


泣いている翔太を余所に、あたしが魔法で、風を外へ追いやる。流石、エンシェント・ドラゴンさんの子。力が半端ないわ!


「キュー、キュー、キュエ〜〜〜〜〜〜〜〜!」


あ、ヒマリが我慢の限界なのか、口から鳴き声と一緒に、光の玉が出現していく。ん? 光、よね?

嫌な予感に、ヒマリを抱っこすると、すぐさま、窓へ。ヒマリを落ちないように抱っこしつつ、口は窓へ向けたまま。

そして―――――――。


キー――――――――――ン………


なんて音をだしながら、一気に、光線が発射して、地平線の彼方へ、光の尾を残しながら、消えていった。


「危なかった〜…………ヒマリ、いくら何でも、これは危ないわよ?」


「キュ?」


あ、理解してないわ。キョトンとしてるもの。


取り敢えず、色々おきたけど、ヒマリ、カイト、アカネ、ヒスイ、皆と出会えて良かったよ。これからも宜しくね!


「俺の部屋が〜…………」


泣いてる翔太、ガックリしてるわ。翔太、本当にゴメンよ。

………………最後、締まらないわねぇ。


初めまして、もしくは、お久し振りです。

作者の秋月煉ですm(__)m

本日は、この作品を読んで頂きまして、本当にありがとうございます!

此方は、あらすじや前書きに書きました通り、しきみ彰様の『ドラゴン愛企画』参加作品です。しきみ彰様、素敵な企画をありがとうございます♪ 此方を借りて、お礼を致しますm(__)m

こんな愛もいいかなぁと、そんな気持ちで書きました☆ 身近にいると忘れてしまいますよね? 感謝を伝える意味で、バレンタインデーは素敵な日です。恋愛は………ねっ☆


此方は作者の作品『天と白の勇者達』の番外編です。読んでいない方もいると思うので、分かりやすくしたつもりですが、分からない部分等ありましたら、ご質問下さいませm(__)m

なお、感想等はメッセージ機能(一部を除く)で、必ずお返事致します。…………優しい言葉で言ってもらえると助かります(;^_^A

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― 新着の感想 ―
[一言] 某球団かと思いました。
[一言] 異世界にもバレンタインデーがあるんですね。 魔力の入ったチョコレートって、 どんな味がするんでしょう? 食べたら、すごい魔法が使えるとかだったらいいですね。
[良い点] テンポの良いやり取りが魅力的でした。 最後の部屋が大変なことになるというオチもツボです(笑) [一言] 企画へのご参加ありがとうございます! 番外編とのことでしたが、楽しく読めました。ただ…
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