迷える生活が始まっています。
春ーー。ある時は別れを惜しみ、またある時は出会いに胸を踊らす、そんな様々な感情を与えてくれる、そんな季節。
校庭を彩る一本の桜の木から舞い散る花びらは、これからの俺の未来を鼓舞するように、上空へと高度を上げていく、そんな素晴らしいこの日にーー
「あ!昨日の変態の人じゃないですか!」
「俺のことじゃないよなそうだと言ってくれ!!!」
…社会的にお別れすることになるかもしれない。
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事の顛末は昨日まで遡る。
その日は日曜日で、部活にも入っていないパンピーな高校生こと俺【荒川 繁人】はいつも通り昼まで居眠りすると決め込んでいた。
「ねぇ繁人君?そろそろ起きてくれないと困るだけど?」
…が、そんな俺のスタンスと反し、休日も規則的に活動中の同居人は、そんな俺を見逃せないらしい。俺の体を包み込む毛布を激しくもなく優しくもない中途半端な力でぐいぐい引っ張る。
「なんだよ、みな…。俺はだなぁ、日曜日は幸せな太陽の光を背に感じながら気持ちよく寝たいわけで…ふぁぁあぁ」
「完全にカーテンで光を遮断しているとのに加え、仰向けで寝てるけどそこらへんどうなのっていうのはさておいて、今日は買い物に付いて行くって繁人君から言い出したんだよ?」
「…そうだっけ?」
「そろそろ思いつきで決めたことをなにも考えずにすぐ口に出す癖は直したほうがいいと思うな」
「…スイマセンデシタ」
俺がしぶしぶベッドから起き上がるのを見て、彼女は少し満足したのか、トテトテとクローゼットまで行き勝手に服をチョイスし始める。
【楠木 みなも(くすのき みなも)】。中二からの知り合いであり、俺ん家に住む唯一の同居人だ。
ハイッ!今『チッ、なんだよこいつリア充かよ爆○しろよこの×××…!!』とか思ったそこのあなた!!俺も逆ならそう思う!!
だが安心してほしい。俺とみな(みなもと呼ぶのがいちいちめんどいので俺は『みな』と呼んでいる)の間にはマジでなんもないから。
なにしろ、彼女とは先ほども言った通り二年の時に初めてクラスメイトになり、その後同じ高校にたまたま入学しただけで殆ど接点がなかったからである。
確かに、彼女の家は俺ん家から徒歩十分圏内にあるが、別に小さい頃一緒に遊んだ記憶もないし、正直同じ小学校に通っていたのかさえあやふやだ。
そんな全く接点のない彼女と、俺はこれ以上関わることはないと思っていたーー。
しかし、そんなほぼ無関係だった俺たちは、現在の高校二年生までの四年間で、互いを認識し、意識し、そして触れ合いーー。
そして今の関係に至る。
なんてこともなく。
先ほどの表現を使わせてもらえるのであれば、現在の高校二年生までの四年間で互いを認識しーー。そして今の関係に至るって感じ。
じゃあ、どうして同棲なんてしてんのかと言われたら、非常に複雑な理由が絡んでくるわけで…まぁ、時期が来たらおいおい話していきたいと思う。今はそうだな…まぁみなが俺の母親代わりだと考えてくれたらいい。
「私朝食の用意してくるから早く着替えてねー。服ここに置いとくから」
「あぁ、分かった分かった」
「二度寝しないでねー」
そう言って、お玉も持っていない所かエプロンもつけていないギャルゲーのテンプレ寝起きイベント要素ゼロの幼馴染(?)同級生は俺の部屋から出て行った。
見た目も可愛いし性格も良いさらにはスタイルも全然悪くないと三拍子が揃っているのだが、いかんせんそれを活かしきるインパクトっていうか自己主張性が皆無に等しい。
具体的に説明するのなら、ギャルゲーにいる主人公のことが好きだけど性格が良すぎてキャラが立っておらず個別パートが作られないサブヒロインのサブヒロインの主人公のことが好きじゃない版って感じだな。
うん。全然具体的じゃない。ていうか主人公好きでもないならただのモブだな。
あ、ちなみに僕はギャルゲーが好きです。(作者)
と心の中で同居人をディスりつつ、せっせと私服に着替える。着替えをものの数分で済ますと、自室からリビングに向かった。
リビングに顔を出すと、俺のテーブルには既にハムエッグとバタートーストが置いてあり、向かいではみながトーストをムシャムシャ食べていた。
「お前…ここは同居人が着替えるのを待って一緒に頂きますするのが普通じゃないんですかね…?」
「あーごめん。どうせまた二度寝するんじゃないかと思ってた」
「これが二年間築き上げてきた信頼関係なんですかそうなんですか!!?」
というように、俺が席についてからも何一つ萌え要素のない老後のおじいちゃんおばあちゃんみたいな会話をしつつ食事を終え、近くのデパートへと出かけた。
…本当なんなんだろうなこいつ
【注意】この先、重度のキャラ崩壊(まだキャラが定まってないですけど笑)またはメタ発言が含まれます。お好きでない方はどうぞスキップしてください。本編との関連性は一切ありません。
作(作者)「よっしゃああぁあ!!!やっと第一話投稿できたぁぁあぁ!!」
繁(繁人)「続けて二話をどうぞ」
作「待って待って!!無理だから!テスト期間とか模試の勉強とか色々あるんだよこっちだって!!」
繁「そのテスト期間にテス勉ほったらかしてドラ○ンズドグマとかメ○ルギアして遊んでたろーがよ。そんなことする暇があったら何にも考えてないシナリオプロット侵攻させろ」
作「仕方がないじゃないか。だってシナリオが思いつかなーー」
繁「失踪しろこの○ソ野郎」
作「ま、まぁまぁ、そんなことよりもだよ!こうして小説活動復帰できたんだからそれを祝おうよ!しかも繁ちゃん主人公だよ主人公!」
繁「そういえばそうだったな。…なぁ、今思ったんだがこの第一話に俺とみなの容姿について具体的な説明が一度もなかったがこれ大丈夫なのか?」
作「…あえて登場人物の容姿設定を抽象的に表現し、読者様の想像力を駆り立たせることによって、よりこの世界に入り込んでもらおうという俺の豊臣秀吉並みの粋な計らいに何か問題が?」
繁「要約すると文書力がないってことでいいんだな?」
作「うわぁあぁぁあん!!それを言うなぁあぁああぁあ!!」
繁「いいじゃねえか、ここはプロの力を借りてどっかのラノベからコピペしてくりゃーー」
作「それ以上はダメだ!!終わり!この話は終わりにしよう!!」
繁「そもそもこのあとがきはなんなんだよ?」
作「こ、これはだな!今回の登場人物と作者が対談していくことで、より一層キャラクターの魅力を引き出していこうという、素晴らしいコーナーなのだよ!」
繁「へぇ、本音は?」
作「ディー○レイマンの表紙めくったらあった夢の対談コーナーが面白くってやってみたいと思ってパクりました」
繁「え?今のは発言的にどうなの?」
み(みなも)「ねぇ、特に話すことないなら早く終わろうよぅ」
作・繁「「…え?」」
み「え?もしかしてまだ話すことあった?」
作「え、いや、確かに話すことなくて最後のオチどうしようかなって思ってたけど…」
繁「お前…いたの?」
み「えー、今回のキャストは私も入ってたよー」
作「…みなもちゃんが本編に出演する時は地の文がとても重要ということがよく分かったよ」
繁「…帰るか、みな」
み「え?なんかごめんなさい?」
次回もお楽しみに!!