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噂が人をたぶらかす・・・  作者: 水天日光天照
第一話『森山町の噂』
8/16

#8

 6年前の学級日誌を見ていてら、【送り人】が書いてあった。あれ? 【送り人】は今の噂じゃないのか? なんで、六年前の学級日誌に書かれているんだ? そう言えば、僕が【送り人】の噂を口にした時、平本さんは驚いていたな。まさか、【送り人】は【吸血鬼再来】を隠すために、もう一度流行ったのか? 分からないけど。一度、整理してみるかな。

 十五年前に、【吸血鬼現る】。六年前に、【送り人】。今は、【吸血鬼再来】と【送り人】。そして、1番新しいと思われる【湖の美女】。

 まとめると【吸血鬼現る】と【吸血鬼再来】は、同一人物では無い可能性がある。そして、【送り人】が、【吸血鬼再来】を隠すために流行った可能性が高い。順番は、【吸血鬼再来】、【送り人】の順番で流行った可能性が高い。そして、これらをさらに隠すために【湖の美女】が流行ったのか? これは、考え過ぎか? 情報が無いから、分からないな。とりあえず、日誌を見ていくか……

 最後の方のページを見ていたら、こんな噂があった。【時代を超えて忍者参上!】ってな噂があった。噂の内容は、黒一色の奴が家の屋根を飛んでいただけらしい。これって、野生のサルか、何かを見間違えただけじゃないのかな? てか、こんな噂もあるんだな。

 一冊目が、読み終わったので、二冊目を読み始めた。二冊目は、二学期の学級日誌だ。二学期は、文化祭についての生徒所感ばかりだった。だけど、そんな中にも噂を書いてる人もいた。噂名は【倒れる木々】。これは、山の木々が勝手に伐採されてる事からきたらしい。

 しかも、伐採されてる木々の他に、切れ込みだけの木もあったらしい。徐々に、切り口が綺麗になってきてるから、木を切る練習をしていたかもしれないけど。木を切ることを縄張りにしている人が、あんな切り口はどうやっても不可能だって、口をそろえて言ったらしい。大きな切り口なんて、大きな鎌を使ったと思うけど、そんな大きな鎌を振り回せるはずが無いらしい……って、大きな鎌? 【吸血鬼再来】で、出てきた大鎌と繋がっているのか?

「そんな馬鹿な……」

 きっと、かまいたち現象ではないだろか? 山があるから、山風が原因なのだろう。

 さて、続きでも読みますか……

「いたいた。こんな所にいたんだね。探したんだよ」

読み始めようとしたら、声をかけられた。声の主は綾乃だった。

「全く、図書室にいるとは、ん! 何の本読んでるの?」

「六年前の学級日誌だよ」

「学級日誌? それまた、なんで読んでるのさ。しかも、六年前って」

「僕の親戚が、六年ぐらい前の学級日誌を読んでみなって言うからね。」

「……へぇ。そうなんだ」

 綾乃のテンションが、急に下がった。僕が何かしたのかな?

「どうしたの? 僕、何か嫌な子とした?」

「うん? いや、何にも無いよ! ただ、そんなにも読むなら、一緒に帰れそうに無いなって思ってね。少し残念だけど、翔太と帰るよ。じゃあね!」

「うん。また明日」

「……うん。」

そんなにも、僕と帰りたかったのか? でも、そんな雰囲気じゃなかった気がするんだけど。 まぁ。今は、学級日誌を読みますか。

 あれ? これって、日向さんの生徒所感だ。何々……

「『ようやく終わった! これで、後は冬休みだ!』って、普通じゃないですか。これのどこが……うん?」

 生徒所感の端の方に、小さな文字で『数学の先生の髪がヅラだった』って書かれていた。

「ふっ」

 まぁ、確かに面白いけど、この先生が可哀相だな。だって、これは永久保存なんでしたよね?この人には、同情します。

 その後も、読み進んでいきましたが文化祭の感想が多いですね。やはり、文化祭の後は、皆さん、一人一人が自分の思いを書きたいんですね。しかも、付き合う話が多いのです。見てる方としては、歯痒いですけどね。そんな中、付き合えなかった人の感想の中に噂が在った。

 それは、【神霊参り】。内容は、神霊湖に住む神様に願いを叶えて貰うだけのようだ。この、書いた人は【神霊参り】をしたのに、全然願いが叶わなかったことに、不満を書いてるようだ。 しかし、付き合う人の事ぐらい、自分の力で成功させなよ。

しかし、美女の前は、神様だったのか。時代によって住んでる人が、変わるんだな。

 しかし、どうやって神様にお願いしたんだ? その辺の事が、詳しく書いてないな。他のページに、書いてないかな?

 調べてみたけど、その学級日誌には【神霊参り】は、あのページしか書いてなかった。これは、三冊目の三学期に書いてあることを願うしかないかな?

 だけど、三学期には書いてなかった。こうなったら、1-Bの二学期の学級日誌を読むしかないな。えっと、どれが二学期のかなっと……あれ? 二学期の無いぞ? 平本さん、二学期の学級日誌を忘れていたのかな? どうしよう、 気になるんだけど。平本さんは仕事があるって、どっかに行ってるし。こうなったら、自分で探しますか。この広大な本の中から。

「……見つかるのか?」

うん。見つかりそうに無いけど、頑張りますか。


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