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噂が人をたぶらかす・・・  作者: 水天日光天照
第一話『森山町の噂』
6/16

#6

 その後、授業が始まった。最初は、勉強が付いていけるか心配していたけど、前の学校と同じ場所をやっていて、良かった。4時間目まで終了して、今は昼放課だ。

「涼太! 一緒に食おうぜ」

「うん。食べよ」

 僕の弁当は、母さんが作ってくれたやつだ。ちなみに、翔太の弁当は、コンビニの弁当だ。

「ねぇ、私も入れてよ!」

「おうよ! 食べようぜ」

「一緒に食べよ、綾乃」

 綾乃の弁当は、可愛らしい弁当だった。やっぱり、女の子の弁当箱は小さいのはどこも一緒なんだね。

 そうだ、二人に聞いておこうかな。今、流行ってる噂について。

「あのさ、二人に聞きたいんだけど。今、流行っている噂って何?」

「ああ? お前、そんな事聞いてどうするんだ? 全部、ガセなんだろ? あれ」

「全部ガセじゃないよ、翔太。涼太は、噂が気になるんだね。いいよ、教えてあげる」

「今、流行っているのは、【送り人】かな?」

 【送り人】? どんな噂なんだ。

「流行ってるのって、【送り人】か? 今は、【吸血鬼再来】だろ!」

 【吸血鬼再来】? 吸血鬼って、どの吸血鬼? ヨーロッパに多くの伝承が残っている吸血鬼かな?。

「えぇ、違うよ。【送り人】だって!」

「あのさ、その【送り人】に【吸血鬼再来】って、どんな噂なの?」

「【送り人】はね。死んだ者が、未練でこの世に残っている魂を、あの世に送る人の事だよ」

「【吸血鬼再来】はな。大鎌に赤色の瞳を持ってるやつが、満月の夜に誰かを殺す。って言う噂だな!」

 大鎌に、赤色の瞳ね。吸血鬼が、武器を使うのか? でも……

「殺す、か。」

「おいおい、本気に受け止めるなよ。ガセなんだよ」

「違うよ。ただ、殺すって言うのがね」

「それって、完全にガセでしょ? だって殺人事件だなんて、十年近く起きていないじゃん!」

 それは、どうゆうことなんだ? 十年も殺人事件が無いって事は、昔の事か? あっ、再来って言ってるから、昔の出来事をもう一度言ってるって事か?

「だけど、【送り人】は本当かどうか確かめるすべが無いから、本当かもしれないね」

 【送り人】は、魂をあの世に送るってことは【吸血鬼再来】で死んだ魂をあの世に送るために【送り人】は流行ったのか? それとも、逆の順番に流行ったのか? 聞くしかないか。

「ねぇ、流行った順番ってどんな順番?」

「【送り人】が先だね」

「【吸血鬼再来】が先だろ」

……どっちなんだ? 二人とも、言ってる事がバラバラだ。

「おいおい、【送り人】は、【吸血鬼再来】の噂が流れてから流行ったじゃねぇかよ!」

「【吸血鬼再来】は、【送り人】が流行った後だったでしょ!」

 まぁ。噂の順番だなんて分からないと思っていたけど、ここまでだったとは。

 僕らの話は昼放課が終わるまで、終わらなかった。結局、噂の順番は分からなかった。

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