#4
朝は、いつもより早く起きれた。ふと、朝の町の姿を見たくて、窓から見てみたけどすごかった。太陽が、朝なのにこんなにも町を明るく照らし、田んぼ等が太陽の光を受けて黄金色に染まっている。早起きすればこんな、絶景が見れるとは。
「涼太、起きてる? もう、朝だよ。早く起きないと、遅刻するわよ」
もう、そんな時間だったとは。学校に間に合うよね?
「涼太? 起きてるの?」
「あっ、うん。もう起きてるって、お母さん」
「なら、早く降りてきなさい。朝食はもう作ってあるわよ」
「今、行きます」
今日の朝食は、トーストと卵とサラダだった。さすがに、昨日見たいな豪勢な料理じゃないのは、分かりますが。一気に見劣りしましたね。
朝食後、学校に行く準備を済まして、もう出るって時に日向さんに声をかけられた。
「ねぇ、涼太。学校に着いたら、噂を調べてみて」
……噂ですか。日向さんも女性なので、噂とかに興味があるんですかね。
「何についての噂を調べればいいんですか?」
「涼太が、これは何だろう? と、思ったやつを調べればいいよ」
僕が、知りたいと思ったやつですか?
「それは、また。なんでですか?」
「森山高校にはね。沢山の噂があるんだよ。大半がガセなんだけど、中には本当の話が混じってるんだよ。しかも、ガセの中には本当の話が、混ざって作られた話もあるらしいから、こうゆう謎解きって好きなんでしょ?」
好きですよ。まさか、こんなんも面白い事があるとは、森山高校に来てよかった。
「ありがとうございます。学校の放課後とか調べてみます」
「うん、うん。それじゃ、行ってらっしゃい」
「行ってきます」
放課後が、楽しみだ。玄関を出ようとしたら、日向さんが何か思いだしたように言った。
「そうそう。私の時の噂の中身は、殆どが妖怪とか幽霊の話だったよ。そっちの方が、知りたいなら、図書室で6年ぐらい前の学級日誌を読んでみたら? 生徒書簡に、噂について書いてあると思うから」
妖怪? 幽霊? なんて、非科学的なんだよ……でも、知りたい。6年前の学級日誌、か。
「ごめん、ごめん。引き止めて悪かったね。今度こそ、行ってらっしゃい」
「ありがとう、日向さん。では、行ってきます!」
「はい、行ってらっしゃい」
もう、楽しみでしょうがなくて。歩くスピードが、だんだん速くなって、いつの間にか走ってた。