#3
結局、僕の部屋はすぐに見つかった。扉に僕の名前が書かれた看板が、掛けられていたから。
届いた荷物の整理が終わったし、どうしようかな?
「涼太! ご飯だよ、降りてきて食べようよ」
もう、ご飯の時間らしい。ちょうど、終わって良かった。
「あっ、日向さん。和子さんとの話、終わったんですか?」
「ああ、うん……終わったよ。凄い怒られたよ」
「それは、まぁ。とりあえず、食べに行きましょうか」
「……うん」
階段を降りて、リビングに行くとお母さんと和子さんが居た。
そして、肝心のご飯だけど、豪勢なご飯だった。
「凄っ! 何、このご飯は?」
「涼太の新生活の始まりを記念してね。お母さん、腕を奮っちゃったよ」
「千草姉、張り切りすぎだよ……」
「そんな所で立って居ないで、座りましょう」
和子さんに言われて、僕と日向さんは椅子に座った。
「いただきます」
「いただきます!!」
和子さんの言葉で、皆がご飯を食べ始めた。
ご飯を食べ終えた後、お母さんから「明日の準備をしときなさい」と、言われたので学校の準備をしているんだけど……
「やっぱり、準備をしてるとなんかワクワクするな」
これじゃ、遠足前の小学生と変わらないな。まぁ、実際は緊張もしてるんだけどね。
教科書やノート、提出書類も用意したし、もうバッチリだな。さて、もう9時を越えたので、風呂にでも入らないと。
ここに、入れたんだよな……合った、合った。寝間着と下着を準備っと。
そう言えば、風呂場ってどこだろう? お母さんに聞くか。この時間なら、テレビでも見てると思うし、たぶん居間にいるだろう。
部屋を出ると、日向さんと会った。お母さんじゃなくて、日向さんに聞くか。
「涼太じゃん。どうしたの?」
「日向さん。風呂場ってどこにありますか?」
「風呂場? あぁ、分かり難いもんね。私に着いて来て、教えてあげるよ。」
「ありがとうございます」
日向さんに連れられて、風呂場に来たけど……
「でかっ!」
風呂場を見て思いついた言葉がそれだった。詳しい大きさは、水蒸気で向こう側が見えないから分からないけど。たぶん、25mプール並みに広いと思う。
「ここは、でかいからね」
ん? この声って……
「日向さん? な、なんでいるんですか!」
「いや。風呂に入ろうと思ってね」
「僕が、入ってるじゃないですか!」
「私は、見られても平気だ。だから、安心してくれ」
「安心できませんよ。僕は、思春期真っ盛りなんですよ」
「おっ? なんだ、浴場だけに欲情したのか?」
「何、くだらないギャグ言ってるんですか! もう、僕はでます! お先に」
「おいおい、一緒に入ろうよ」
「遠慮します! では……」
僕は風呂場を出て、脱衣所で着替えをすまして、自分の部屋に戻っていった。
しかし、なんで日向さんはあんなことをしたんだろう? 僕をからかって、楽しんでる?
はぁ。身体が冷えちゃったよ。何にも、やることが無いですし、寝ますか。明日は、森山高校に転校する。そうなると、自己紹介をやるんだろうな。最初のイメージが、肝心だから失敗しなようにしないとな……お休みなさい。