表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
噂が人をたぶらかす・・・  作者: 水天日光天照
第一話『森山町の噂』
2/16

#2

「着いた、着いた。ここが、森山高校だよ」

 ようやく、地獄から開放された僕でした。さて、気分を変えるために、通う事ととなる森山高校を見ますか。

 あぁ、見た感じは、木で造られた木造校舎ですね。なんか、伝統がある校舎です。

「あの校舎は実を言うと、築百年なんだよ」

築百年ですか、壊れたりしないんですかね?

 でも、百年も歴史があるならおもしろい噂とかありそうですね。ちょっと、ワクワクします。転校したら、調べてみようかな。

「そろそろ、行く?」

 もう、十分見たのでいいですかね。

「はい、行きましょう」

 今回は、普通のスピードだった……わけが無かった。と言いますか、公道でこんなにスピード出していいですか?


 もう一度、地獄を味わい開放された僕は、お母さんの実家に着いた。お母さんの実家は、見た感じは武家屋敷ですね。

 外から見たら広いと思いましたが、こうゆう家ってなんか出そうですよね。

「先、行ってて。車を車庫に入れてから行くから」

「はい、わかりました。先に行ってますね」

 門の前で立っていないで、門を潜ると……そこは、別世界だった。

 鹿おどしの音が単調なリズムを作りだして、時を刻み。それは、庭の静かさと時間の長さを教えてくれる。小川のせせらぎと、小鳥のさえずりが僕を癒してくれる。たぶんこのさえずりは、雀だと思う。そして、木々が僕を包み込んで、僕を安心させてくれる。この世界は、この庭園は、美で溢れかえっている。

 きっと、この世界は、来た人に癒しと安らかさをくれる世界なんだと思う。そんな世界に、身を委ねていたら。

「何でそんなとこで、ぼぉーとしてるの? 入らないの?」

僕は、日向さんに声をかけられるまで、この世界に浸っていた。

「いえ、庭が凄いなと」

「そう? なんか、静かすぎじゃない。私は、こうゆうのは遠慮するよ」

「日向さんらしいね」

「おうよ。まぁ、行こよ。千草姉が待ってるだろうしね」

「ええ、行きましょう」

 今日から、ここに住むことになるとは毎日が楽しみだ。

「連れて来たよ、千草姉」

「もう、連れてくるのにどれぐらい時間かかっているのよ」

「ごめん、ごめん。学校を見て来たからね」

「はぁ。まっ、いいや。母さんが待ってるから、居間に行って来て」

「げっ、何か悪いことしたかな」

「違うわよ。この前届いた、あれについてよ」

「……っえ? あれ届かないな、と思ってら母さんが受け取っていたの!」

「どんまい。これからは、気を付ける事ね」

「あぁ、最悪だよ」

「そうだ、涼太。母さんに挨拶してきてね」

「あぁ、わかったよ。お母さん」

 しかし、日向さんはどうして、そんなにも落ち込むんだろうか?

「行きましょうよ、日向さん」

「……うん」

 居間に行ったら、一人の女性がいた。

 品があり、少し近寄りづらいけど、全てを包み込む風格がある人……

「久しぶりですね。涼太さん」

「あっ、はい」

 この人が、僕の祖母である佐々木和子さんだ。

「千草が離婚した事は少し残念ですけど、涼太さんは今日からここで住みます」

 そう言えば、お母さんが離婚した理由って何だっけ?

「はっ、はい」

「佐々木家の誇りを持つようにして下さい。自分の行動に責任を持って下さい」

「はい」

 そう言えば、僕の苗字って千葉涼太から、佐々木涼太になるんだよな。

「涼太さんの部屋は、二階の部屋に用意してあります。荷物は先に置いてありますので、部屋を整理してくださいね」

「はい、わかりました」

 和子さんとの話が終わり、部屋を出ると勝手に溜息が出た。

あの人と話すと凄く緊張する。なんか、心の奥まで見透かされてる感じがするからな、苦手なんだよ。確か、和子さんが言うには僕の部屋は二階だよな。

 さて、僕の荷物に不備は無いかな? 階段を上ると、沢山の部屋があった。

 僕の部屋は何処だろうか? 探すのが、大変そうだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ