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噂が人をたぶらかす・・・  作者: 水天日光天照
第一話『森山町の噂』
14/16

#14

 一冊目には、女神関連の噂はなかった。やはり【吸血鬼現る】の噂が多かったけど、別の噂が6個ほどあった。

 一つ目は、【怪盗現る】って言う噂。黒いマントをなびかせて、夜の街を縦横無尽に駆け巡る怪盗の噂。だけど、これは物を盗んだから怪盗、って言われてるんじゃなくて、格好が怪盗に似ているから、言われるようになったらしい。

 二つ目は、【山に住む大男】。2m級の大男が山に住んでいた所から、流行った噂だ。だけど、そんな大男は山全体を捜索したけど、見つからなかったらしい。

 三つ目は、【さ迷う魂】。【吸血鬼現る】で殺された人の魂が、毎晩夜の町をさ迷っている噂。

これは、親が子供を夜に、出歩かせないために流行った噂らしい。

 四つ目は、【大通りのゴーレム】。桜大通りで、巨大なゴーレムを目撃されたところから広まった噂。これについては、一つしか無かったからあんまり分からない。

 五つ目は、【二人の吸血鬼】。これは、【吸血鬼現る】で出てくる吸血鬼が、同時刻に別々の場所での殺人現場を目撃された所からできた噂。これは犯人が複数犯だと言う事を指しているのかな?

 最後は、【歩く石像】。これは、学校に置いてある石像が、勝手に動き出す噂らしい。学校にある石像と言えば一つしかないので。たぶん、それが動き出すんだろ。

 これらが、十五年前の一学期に流行った噂だ。この中で、【二人の吸血鬼】に関する噂が一番気になる。【吸血鬼現る】では、確かに一人とは噂されていなかったけど、これでは不自然だ。犯人が複数犯だったら、もっと計画的におこなうだろうし。何より、愉快殺人犯が二人もいたら、噂がもっと広まってるはずだ。そこまで有名じゃないのは、何かあったんだろうか?

 これは、平本さんに話を聞いてみるか? 平本さんなら知ってると思うし。

「平本さん、少しいいですか?」

「ん? あぁ、噂について何かあったのかい?」

「【二人の吸血鬼】についてなんですが」

「あぁ、それはガセだよ」

 ガセ? 何故そうなるんだ?

「だって、殺された人は、一日一人だけだったからね」

 一日一人? それじゃ、【二人の吸血鬼】はガセなのか。いや、でも……

「当時ね。「きっと、同じ現場をみたんだろうさ」って言われたんだよ。事件当時は、暗かったらしいからね。警察もそう判断してるよ」

「そうですか。ありがとうございます」

 平本さんとの話を終えて、もう一度同じ席に座った僕は、二冊目の本を読み始めた。


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