#13
今は、二時間目も終了して、クラスに帰る途中だった。
「でっ、どうだった?」
翔太が声をかけてきた。どうって、どうゆうこだろうか?
「どうって?」
「おいおい、さっきの噂だよ。何かに気が付いたんだろ?」
あぁ、それの事か。だけど、確信が無いから言えないんだよね。
「なんとなくだけどね。だけど、気になることがあるから、調べてから言うね」
「まじかよ。わかったら、教えろよ!」
「うん、教えるよ!」
翔太は、僕が言うと走り去っていった。
だけど、女神の噂はあるのかな? とりあえず、十五年前の噂について調べないと……
放課後、僕は図書室に行った。女神の噂があるかを調べるために。
「おや、涼太君じゃないか!」
「あっ、平本さん」
図書室には、平本さんがいた。
「昨日はごめんね。仕事が長引いてしまってね」
そうだ、学級日誌の事について聞かないと。
「いえ、あれで良かったでしょうか?」
「あぁ、あれでいいよ」
「そうですか、ありがとうございました。聞きたいんですけど、六年前の二学期の学級日誌って無いんですか?」
「あぁ、その本はね。どっかにいってしまったんだよ。探してるんだけど、見つからなくてね」
そうだったのか……。無いものはしょうがない。なら、十五年前の学級日誌を借りるだけだ。
「そうでしたか、残念です。あの、十五年前の学級日誌を借りたいんですけど」
「十五年前の学級日誌かい? 分かったよ、今持ってくるから、そこに座って待っててくれ」
平本さんが指したところは、空白の席が沢山ある所だった。どこに座ろうか。
「これだよ。十五年前の学級日誌はね」
これに、女神について書いてあったら、それは【神霊参り】の神様が女神だって可能性が高くなる。だけど、出てこなかったら、ほぼ男だって事になるけど……
「ありがとうございます」
「ふふ、何かに気が付いた顔をしてるね。何か進展でも、あったのかい?」
「はい。【神霊参り】に出てくる神様の性別が、男だと思って友達に話をしていたら、友達が女神かもしれないよって言ってくれたんです。これには、中々気が付かなくて。神様だと男を連想する先入観に惑わされていたんだと、気が付いたんですよ」
「ほう。確かに、神様って言ったら男を連想するけど、女神もあるね。これは盲点だ」
「えぇ。なので、十五年前の学級日誌に女神関連や、類似の噂があったら、神様が女神の可能性が高くなって、一個も無かったら男の可能性が高くなるんですよ。」
「そうかい。それは、ぜひ調べてくれよ。今日は、急な仕事とか無いから、質問とか有ったら聞いてくれよ。僕は、カウンターに居るから。がんばってね」
「はい。」
さて、頑張りますか。十五年前の学級日誌を開いて、読み進んでいった。