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噂が人をたぶらかす・・・  作者: 水天日光天照
第一話『森山町の噂』
12/16

#12

 今は、一時間目の放課だ。朝の時、何回も翔太や綾乃に声をかけられていたけど、僕が気づかなかったことについて、責められている……

「涼太は、考えると周りが見えなくなるタイプなのか?」

「そうだと思うよ」

「本当に、気が付かなかったの?」

「何されていたの、僕?」

「翔太が、涼太の髪型を弄くっていたよ」

 頭に、手を伸ばしたら変な感触があった。なんなんだ、これ?

「見る? 私、鏡持ってるよ」

 綾乃から、鏡を受け取って見てみたら、僕の髪型がオールバックになっていた。

「似合わないな」

「似合ってるよ、その髪型。かっこいいじゃん」

「そう?」

「そうだって、綾乃が言うだから間違い無いって!」

 いや、でも。やっぱりおかしいよね。

「そう言えば、何考えてたの?」

 話を変える気か! まぁ、いいか。俺が考えていたのは……

「噂についてですよ」

「お! なんか進展でもあったのか?」

「うん、あったよ。特に【吸血鬼再来】と【神霊参り】についてね」

「へぇ。図書室では、六年前の事を調べていたけど。十五年ぐらい前の【神霊参り】についても調べてるんだ」

 十五年前? 六年前じゃないのか? これは、どうゆうことだ? もしかして、書いた人も僕みたいに、噂を調べる人だったら? 十五年前となると……

「おい、涼太!」

「おぉい、涼太!」

 うん? 呼ばれてる? って、

「あっ、ごめん。考え事してた」

「もう、何か考えることでも、あったの?」

「そうだぜ、急に黙り始めるから、何かあったのか?」

「ちょっと、気になることがあってね」

「何について?」

「【神霊参り】の噂の時期がね。綾乃が言った時期と、僕が知っていたのと違ったからね。」

「涼太は何時だと思ってたの?」

「僕は、六年前だと思っていたね」

「てか、それのどこが考える原因なんだ?」

「十五年前だからだよ……十五年前は、【吸血鬼現る】が流行った年なんだよ」

「【吸血鬼現る】? 何だそりゃ? 何なんだ?」

「知らないの、翔太は? 十五年前に起きた連続殺人事件が元になってる噂だよ」

「は? 十五年前にそんなことが起きていたのかよ。てか、俺らが2歳ぐらいの時じゃねぇかよ。知ってるわけないだろ!」

「そう? 有名だと思ってたけど、翔太は知らなかったのか」

「で、それが何なのさ?」

「【神霊参り】と【吸血鬼現る】の時期が一緒なんだよ。だから、なんか関係してるかと思ってね」

「で、なんか分かったのか?」

「いや、分からないけど、別の事ならね」

「何が分かったんだ」

「【湖の美女】って噂を知ってるかな?」

「知ってるぞ! 神霊湖に美女が現れるんだろ?」

「そう。たぶん、【湖の美女】と【神霊参り】は親子なんだよ」

「は?」

「どうして親子なの?」

「神様って言ったら性別は何を思い浮かべる?」

「男だろ」

「男性ね」

「そう。男をイメージするよね。そうなると美女が、その男の娘だと想像できない?」

「そうか? 勘違いだろ」

「それは、早とちり過ぎないかな? それに、女神様って可能性もあるんだよ」

 あっ、女神の可能性があったか。これは、早とちり過ぎたな。

「そうか、女神か……」

「うん? 何か気づいたか?」

「考え事してる所悪いんだけど、もう少しで二時間目だよ」

 もう、二時間目になるのか……二時間目は、移動教室だった。授業に遅れてしまった。

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