表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神の領域の鑑定スキルを得た俺は、関わったすべての人を幸せにするつもりが、なぜか最狂のハーレムを作り上げてしまう  作者: 爆進王


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

39/139

第39話 一を聞いて十を知る

 次の日は朝からリスグラシューと生パスタ作りを行う。乾燥パスタがあれば便利なのだが、そんな物は存在しない。というか、麺類自体が存在しないのである。





(麺類が無い世界なんて…考えられない!!)





 パスタはもちろんの事、ラーメンやうどん、そばも無い。耐えきれないんだよ!!







「リスグラシュー、これからパスタという食べ物を作ってもらうから。これは小麦粉に卵、油、塩を加え練る…と思う。そして出来上がったものを伸ばして細く切る…と思う。この細く切った物が生パスタだ。でっ…その生パスタをお湯で茹でる。最後に別に作ったソースと絡めて完成だ。どうだ…簡単だろう?」





 俺は心の中で自身の料理に対しての知識の無さを恥じる。





(こんな説明で美味しいパスタが出来るはずがあるわけ…)





「なるほど…わかりました!!」




「わ、わかっちゃった!?」





 俺はリスグラシューの言葉に驚いて大声を出してしまった。





「えっ!?ハヤト様の説明を聞いてイメージが湧いてきました。とりあえず、生パスタといわれる物を作ってみますので、ハヤト様はソースのレシピを何種類か紙に書いておいてくれませんか。細かく具体的にではなく、大雑把でいいのでお願いします」




「…はい、わかりました。よろしくお願いいたします」





 俺は思わず敬語になってしまった。





(天才は一を聞いて十を知るというからね。俺のいい加減な知識を…いや、自分なりに一生懸命に思い出してはいるのだが…。リスグラシューの自信に満ちた表情を見るだけで期待が高まるというものだ)





 記憶しているパスタのソースを紙に書いていく。ソースの作り方までは分からないが、おおよその材料と味のイメージを出来るだけ具体的に…。ただ残念な事に、俺はラーメン派で、パスタの事はあまり詳しくは無かった。




 トマトソースにミートソース、ナポリタンに…カルボナーラ。あとはペペロンチーノぐらいしか知らない。





(…仕方がない。まずはこの五種類を作れるように頑張ってもらおう。それからリスグラシューが独自にアレンジをしていけばいい。そうだよ…丸投げに限る。見せてもらおうか、料理の才能とやらを!!)





 俺は自分にとって、都合の良い事だけを考えるようにする。非常に無責任とは思うが、才能がない奴が頑張れば頑張るほど、物事はうまくいかなくなるものだ。





(俺の出来る事は限られている。リスグラシューに最低限の知識とイメージを与える事だけ。あくまでもサポート役)





 そう思いながら、レシピらしいものを書き上げていく。




 


「う~ん…どうだったかなぁ~」





 俺がテーブルで頭を悩ませていると…





「ハヤトさん、どうぞ」





 アパパネがお水を持ってきてくれた。





「ありがとう、アパパネ。エプロン姿が可愛らしいね!!」




「恥ずかしいですよ!!」





 顔を赤くして給仕の練習に戻るアパパネ。アパパネは今、ジュリアさんに給仕の基本を叩きこまれているところ。





「どう?ジュリアさん。アパパネのほうは?」




「どうって…呑み込みが早くて驚いているわよ!!なんていうのか…一つの事を教えると、自分の頭で考えて、それ以上の事をやってしまう感じよ…」




「そうですか。実はリスグラシューもそんな感じなのです」




「………才能があるっていいわね。私みたいな凡人には羨ましい限りだわ」




「えっ、言ってませんでしたっけ!?ジュリアさんの才能…」




「えっ!?…私にも才能があるのかしら?」





 お互いに顔を見合わせる。





「申し訳ありません。ジュリアさんは感性がズバ抜けて優れています。とにかくセンスが素晴らしいと思う。この宿に置いてある備品一つ一つを見ても、その感性の豊かさを感じる事ができますよ」




「まあ、本当に!!」





 ジュリアさんは満面の笑みを浮かべる。





(た、たまらん!!美しすぎる!!あなたの一番の才能は、その美しさですよ)





 中身が32歳の俺にとって、38歳の美熟女未亡人は、どストライクなのである。




 確かにアレグリア、リスグラシューも超絶美少女なのは間違いない。ただ、まだ


七分咲き。満開までは後2、3年は時間が欲しい。まだまだ成長途上なのである。





「ま、まあ、ジュリアさんは自分の感性を信じて、この宿を経営していけば、間違えはありませんよ」




「でも…今までも、そうして来たのだけれど…」




「今までの『ベガ』は武器が無く、丸腰で戦っていたようなものです。いくらジュリアさんの感性が優れていても、武器を持っている敵には勝てませんでした。でも、リスグラシューの料理という武器を得て、ジュリアさんの感性と融合すれば…」




「融合すれば?」




「大繁盛、間違いなしですよ!!」




「そっか…そうね!!そしたらハヤト君のお役に立てるわよね?」




「も、もちろんですよ!!でも、リスグラシューのいう事は無視してくださいね。俺は使徒ではなく…」




「あぁ!!ハヤト君のお役に立てる。こんな嬉しい事はありません!!」




「……………」





 ジュリアさんの嬉しそうな表情を見て『も、もう、ダメかもしれんね。ジュリアさんの中では完全に使徒様になってるよ』と、思うのであった。








【リスグラシュー視点】




 ハヤト様からパスタなる食べ物の話を聞きながら、頭の中でイメージを膨らませる。




 正直に言うと、ハヤト様の話を少し聞いただけで、不思議ですが、勝手に頭の中でイメージが膨らんでいくのです。まるで以前から、パスタなる食べ物を知っているかのように…。





(こ、これが才能…早く作りたくて仕方がありません!!最初から完璧には作れないとは思いますが、ある程度、美味しい物が作れるという自信があります。他人から見れば、根拠のない自信と言われるかもしれませんが…)





「なるほど…わかりました!!」




「わ、わかっちゃった!?」





 私がわかりましたとお答えしたら、なぜかハヤト様は凄く驚いておられました。





(うふふふっ、ハヤト様の驚いた顔、とても可愛かったです。では、始めから美味しいパスタを作り、もっと驚いてもらいましょう!!)





 私はソースのレシピを紙に書いておいてくださいとお願いし、パスタの調理に取り掛かるのでした。





【アパパネ視点】




(こんな私を拾ってくれた皆さんの為に頑張らなくては…)





 私はジュリアさんの指導の下、給仕の仕事を覚えている真っ最中。自分でも不思議なんですけど、たまにジュリアさんから言われなくても、勝手に次になにをすればいいのか、分かってしまう事があるのです。





(ハヤトさんの言った通り、本当に給仕の才能があるのかもしれない)





 そんな事を考え、また給仕の練習に集中する。




 まだ幼い私にとって体力的に厳しい時もある。




 けれど…





「凄いわ、アパパネちゃん!!」





 頑張ればジュリアさんが、そう言って褒めて、抱きしめてくれる。まるでお母さんに褒められているようで、本当に嬉しくてたまらない。




 昨日の夜『寝付けないのでは?』と、心配をしてくれたジュリアさんが『アパパネちゃん、一人で心細くない?良かったら一緒に寝ない?』と、言ってくれた。





(嬉しくて、本当に嬉しくて…)





 ジュリアさんと寝る布団の中はとても暖かく『あっ』という間に眠りに落ちてしまいました。





(もっと、もっとジュリアさんとお喋りしたかったのに…)





 気が付いたら、もう朝になっていたのでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ