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異世界仕様の自転車

異世界ものの移動手段の定番は馬車や荷車だろう。これは、一度は乗ってみたいという読者の願望から来る。


現実の近世では、幹線以外は道幅は狭く、馬車は元より、荷車すら一台がやっとの道幅で、すれ違いは離合所でしか出来なかった。だからこそ、狭い軌道で広い車体・積載量を支えられる鉄道・トロッコが発達した。


そんな道路事情だと、娯楽・社交場としてならともかく、純粋な移動手段としては馬車や自転車が圧倒的に有利だ。


となれば、転生チートとして「自転車召喚」や「部品召喚」「自転車修理」も欲しくなる。

熟練レベル(代価支払い能力)があがると、自転車の性能や召喚頻度、修理速度が上がるという具合で。


自転車は、廃棄資源としても価値がある。鉄製のギア、アルミ製の車体、ワイヤー、チェーン機構やブレーキ機構の他の機械への転用、さらにミニ発電機とランプや空気入れまであるのだ。だから、廃棄の際の資源化スキルという概念すら出てくる。


自転車道を作るスキルだって欲しい所だ。ただし、修理スキル同様、魔法としてではなく、他人に教えられる技術という形が好ましいが。



さて、魔法でなく、知識で自転車を作製する系統の異世界・過去転生ものだとどうなるか?


上記のように自転車には高度の技術が使われている。一方で鉄道が無いような世界観、すなわち鉄の生産量が少ない世界観だ。馬車だってゴムタイアでなく木や鉄を使っている時代だ。


一番のネックはチェーンだろう。それは(時計に使われる)歯車の組み合わせと同じく、少ない回転数で多くの回転を稼ぐ仕組み(あるいはその逆)だが、その作製には歯車より遥かに高度な技術がいる。他にベアリングも面倒な記述だ。


こういった材料・技術を考えると、自転車一台の作製に馬車百台分ぐらいの費用がかかるのではないか。


もっとも、それは現代の自転車ということだ。一輪車に方向柁ほうこうだの前輪を組み合わさせただけの初期自転車なら、もっと簡単に作れる。


チェーンや歯車による回転数の増幅こそないが、車輪が大きければ大きいほど、足一回転当たりの移動距離は長くなるからだ。そして、このような一輪車仕様なら、チェーンを使わない歯車式の回転数増幅も可能になろう。おそらく木製でも作製可能だろう。そして荷物を載せるなら、前輪を2つにして逆三輪車にすればよい。


異世界を走る自転車。安定性や操縦性は現代版に劣るが、きっと人気商品に……。


結果、自転車操業になるかもだけど。

本当は、これで主人公に転生(過去遡行)させて、ハッピーエンドかコメディエンドにしたかったのですが、私の創作力で1000文字では無理だと諦めて、エッセーという形で投稿します。

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― 新着の感想 ―
999文字で収めたのは見事だと思います(*^^)v
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