表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/45

8 女神

「この方が女神様……」

「本当にお綺麗だ……」




「では、皇族へご報告を。それと女神誕生祭の準備を」


「……っ!」


その言葉に、私は胸がざわついた。


もう、セシル様には会いたくない。

会ってしまえば、また心が揺れてしまう。


すると、一人の老婆が穏やかに口を開いた。


「ルアリナ様、私はこの村の長でございます。フィアナの母にして、カトレアの祖母でもあります。

陛下にはお伝えしたくないように見受けられますが……。やめておきますか?」


私は言葉にならず、ただ頷いた。


「はい。では、この件、皇族には申しまいでございます」


「えっ……本当によろしいのですか?」


てっきり説得されるのかと思ったのに。


「ふふ。この国では、ルアリナ様ほどの方がおいでになれば、それだけで“最上の存在”に等しいのですよ。

それに、ここへいらした以上、もう“他人”ではありません。あなたは私たちの家族です」


老婆——村長はそう言って、柔らかく微笑んだ。


その笑顔はまるで、冬の空を突き抜ける朝陽のように、私の心へ温かな光を届けた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ