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できることなら、もう一度貴方の隣に。〜“殿下”、私を忘れてください〜  作者: 桜夜.Ari
第五章 寄せられる違和感、選ばれる覚悟

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61 それなのに、不思議と 【セシル視点】

俺は、目の前のだんろを見つめていた。




理解できない状況はずなのに、警戒すべき状況のはずなのに。


——不思議と、胸が騒がない。


なぜだろう。


おかしい。


全身が、無意識に震えるほどの膨大な魔力を孕んだ洞窟に、あの場にクラウディアがいたこと。


そしてこの家。


どれも、理解不可能な状況だ。


それなのに。



まるで、知っている場所に戻ってきたような感覚がある。


彼女が隣にいるからか?








……そうだ、以前にも。


いや……ずっと昔にも、同じことをしたような。


そんな記憶が、輪郭も持たないまま胸の奥に沈んでいる。



理解できないのに、理解している。


困惑しているはずなのに、心だけが妙に静かだった。



意味のわからない矛盾。


——変だ。




俺は、無意識のうちに拳を握りしめていた。



先程。


ルアリナがあの洞窟に吸い込まれそうになったとき、


「セシル様!」


そう、言われたきがする。



一瞬だけ、胸の奥が、ちくりと疼いた。



聞き間違いかもしれない。


いや、確かに——。


彼女は、俺の名を。


だが。



問い詰めてはだめだ。

きっと、俺には分からない何かがあるのだろうから。


そう、決めた。



——今は、それでいい。



俺は何も言わず、再び、彼女の背を見つめた。




悲しいほどに、愛おしい。


ここまで読んでいただきありがとうございます。



少しでも、続きが気になると思っていただけたら。

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