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できることなら、もう一度貴方の隣に。〜“殿下”、私を忘れてください〜  作者: 桜夜.Ari
第二章 だから、思い出さないで

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39 覚醒

風が心地よい、白霧村の静かな夜。



気持ちを切り替えよう。


そう思いながら、私は目を閉じた。






冷たい風が私を撫でる。


「ん」


ゆっくりと目をあける。


「ここは……?」


目の前には古びた神殿がそびえている。


月明かりが差し込む中、私は神殿の中央に立っていた。



私は神殿へ足を踏み入れた。


そこには、私と同じ銀色の髪に碧眼を持つ女性。


『ルアリナ、いらっしゃい』



「アルテイア様…お久しぶりです。ここは、私の夢の中ですか?」


『ええ、貴女の夢に入り込んでいるの。さあ、ここへ。私の像に……手を置いて』


彼女は神殿の中央に立つ像の手を指さした。

女神アルテイアの像だ。


何か、足りない気がする…どうしてだろう。


隣でその像を見つめるアルテイア様の目は、どこか寂しい。




私は像の手を握り、目を閉じた。



眩い光が静寂を破り、神殿内に響き渡った。


うっすらと目を開ける。


突然、空気が震え、私の体内から熱いエネルギーが湧き上がる。



「わ…!」


私の青い瞳が煌めき、体から神聖な力が解放されたのがわかる。


周囲の空間が一瞬で浄化され、神殿内に温かな光が満ちた。


『これから多くのことを貴女に背負わせてしまうことになってしまう。本当にごめんなさい』


「いえ!……でも実は、不安もあります。けれど、私を支えてくれる人はたくさんいます。私が女神でなかったら、会うことがなかった人たちに出会うことができた。私は、誇りに思います」


家族に、フィアナさんやカトレア。

そして村のみんな。



「前に、私に味方はたくさんいると、仰ってくれましたよね。…本当、でした。ありがとうございます。女神になったから…アルテイア様とも、出会うことができましたし」



『ありがとう……そして覚醒おめでとう、最後の女神、ルアリナ』


最後?


「最後って…?」


そう呟いた時にはもう、私は自室のベットの上にいた。

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