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できることなら、もう一度貴方の隣に。〜“殿下”、私を忘れてください〜  作者: 桜夜.Ari
第二章 だから、思い出さないで

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34 アルテイアとエーテリウス

私の頬を一筋の涙が伝う。


それが合図かのように、涙腺が決壊した。

私はいつの間にか大粒の涙をこぼしていた。


側から見ればただの物語。

でも、私は——。


未来で2人は幸せになれたのだろうか。

どうなったのだろうか。


私の判断も、これでよかったのか。


いろいろな感情が混じり合っている。


この物語は、抽象的だけど、私にはよくわかる。

私に似ている。

とても。





でも、こんな結末はアルテイア様の望んだものじゃない。


以前会った時のアルテイア様の瞳は、どこか悲しそうだった。


悲しい、では言い表せなくらい。



「ルアリナ……。もしかしたら、貴女たちの運命はもう硬く結びついているのかもね」


いくつもの細い糸が絡まった縄のように。

一つの糸が切れても、全て切れることはないように。


貴女たち。

それが何を指すかは分かる。


でも。


「ねえルアリナ、話を変えるけど“女神が生まれ変わった”これは何を指していると思う?」


私が思い出したくないことを悟ったかのようにフィアナさんは話しを変えた。


それよりもフィアナさんの質問。


女神の生まれ変わりがを指すか…?


「わからないのなら、これを読んでみて」

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