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第0+ 2i章

雪咲寧々(17才)(ゆきさきねね)は8階の病室から見える夜景を眺めている


今夜、スカイツリーが放つ色は青色だった

きのうよりぼんやりとしか見えない気がする

昨日も同じことを思った。その前の日も

こわくなって試しに左目を閉じ右目だけで見てみた

きのうもそれと同じことをした


周囲に高い建物がないおかげでこの病室から遠くの景色がぐるり見渡せる

この病院の建物だけ周辺で異様に高いから

ここからの夜景はいくら見ても飽きない

その理由はここでは他にすることがないからなのか、それとも


夜間は地上と空との温度差のせいで、夜景自体が、スカイツリーも含め

揺らいで見えるというのを入院してはじめて知った


星をよく見ると細かく震えている

自分の瞳が無意識に細かく動いているため起こる錯覚だ

雪咲寧々は不思議できれいだなと星を眺めていた


スカイツリーの向こう側に見えるのが天秤座。自分の星座である乙女座を探したけれど

今の時間は病室から見える夜空のもっと東側にあるはずだった


消灯している病室の窓際に椅子を置き夜景を眺めていると、看護師が夜中の見回りで

軽くノックをし、室内を懐中電灯で照らしやってきた

そのとき、時間は夜中の2時

部屋は小さな間接照明しか灯っていない


夜勤の看護師さんはコンタクトではなく、めがねをかけメイクが薄い

みんな寝静まった深夜だし、忙しくなさそうだから昼間よりお話しやすい感じがする


来てくれたのは雪咲寧々の担当の白花美羽(22才)(しらはなみう)看護師さん


美羽は言った

「雪咲さん、それジェラピケのパジャマでしょ 」

寧々は答えた

「そう。それナース服?」

「私服でこんな真っ白なコーデしないよ

そんな清楚なかっこうはわたしには似合わない

ウェディングドレスも青にするって決めてる」


「それスカート長くて太もも隠れてるし、ウェストのくびれも目立たない

 身体のライン見えない。ナースキャップもない

ものたりないからもう退院する


メルカリで出品してるコスプレのナース服みたいなのがいい

それ着てくれなきゃ医療承諾書にサインしない」

美羽は言った

「ピンクのシースルーのナース服アパートに一着あるけど

それ着て働いたらたぶん風営法違反だし、その分医療費も高額になる

患者さん、退院しなくなってベッドの空きもなくなる

わたしに特別手当を支給しなきゃでしょ?」


「いつ着るの、それ」


白花美羽看護師

「1時間後の見回りでまだ起きてたらヒントをあげよう。おやすみ」     



雪咲寧々は1時間後、白花美羽看護師(22)のシースルーのナース服について

続きを追求することにした      




まだ右目が見えるうちに 




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