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『尿・戦士』

 ようやく、警察署へと辿り着く。皆(作者も)忘れていたが、アスリーは軍人(アルテナ&ミュール)以外にも警察のスタッフ二人に連行されていたのだ。

 その刑事さん(?)は言う。

「これから警察署で取り調べがある。アスリー・シーズは手錠をかけられているが、両手に何も持っていないかの確認のため、手を開いてパーにしろ」

 アスリーは言われるまま、両手を広げた。小さく前へならへの状態である。

 彼女はまたも片手を上げた(再三言うが、手錠がかかっているのに器用な人である)。

「手錠って手の甲を上にするものだと思ってたんだけど。両手の親指を空に立てる感じで小さく前へ習えにするんだね」

「そうだ」

「ねえ刑事さん。有名人がパクられた時のイメージだと、そうじゃない気がしてたけど」

「まあそれはそれだ。あと、俺は刑事ではなく鑑識の人間」

「は!? それって越権行為じゃないの!? 人権団体に報告したほうがいい?」

「勘弁してくれ……。警察も人手不足なんだ。ただそっちの男は刑事だし、取り調べするのもちゃんと刑事だから」

「ふーん……ねえ警察手帳見せてよ」

「ダメだ!」

「なんで?」

「忘れてきた」

 ダメダメなスタッフである。


 随伴しているミュールが言った。

「アスリー先生。取り調べは確かに黙秘権とか、言いたくないことは言わないでいいけど、基本はここでムショ(刑務所)……失礼、留置所に送られるわよ」

「へぇ……」

「アスリー先生は、そこで屈辱的な仕打ちを受けることになるわ! アーッハハハハ!」

 アルテナ中尉はこっそり思った。

「(ミュールって結構Sッ気多いのかも)」


 アスリーは言う。

「屈辱的なことって何さ」

「留置所に入る前、そしてムショに入る前。何か隠し持ってないか色々とチェックされるのよ! もちろんケツ穴もね!」

 途端にアスリーが反応した。

「ケツ穴チェック!?」

「そうよ」

「それってご褒美やん!」

 アルテナとミュールは顔を背けた。アスリーが極度のマゾだと言うことを忘れていたのだ(彼女の性癖の半分は優しさでできているらしいが)。

 アスリーは興奮している。

「ショタにケツ穴チェックされるの!? ヤベー、今まで生きてきてここまで幸せなことがあっただろうか! いや、ない(反語)!」

「いや、あの、アスリー先生。ショタは未成年だからムショや留置場で働いてないと思うけど……」

「じゃあイケメンにチェックされるだけで興奮しない!? 百歩譲って汚いおじさんでもいいかな」

「あの……。最近は女性スタッフ(しかも歳行った)がチェックするのではなかろうかと」

 一気にアスリーのテンションが落ちた。

「あぁ……じゃあどうでもいいか」

「……」

「で、ちなみにどんな体位でケツ穴チェックされるの?」

「それはJOJOの6部のジョリーンに聞いた方がいいかもしれないわね」

 #ぶん投げました


 アスリーは不服そうだ。

「アレって四つん這い(バック)とかか仰向け(正常位)でしょ? せめてまんぐり返しが必要じゃない?」

「ノーコメント……」

「意表を突いて、騎乗位とか対面座位とか駅弁はどうかな?」

「チェックしづらくしてどうすんのよ!」

「選べるの?」

「知らないわよ!」


 そこで一方のアルテナ中尉は、彼女にしては珍しい表情を浮かべていた。

 ……半笑い、である。


 ミュール准尉はまたも仕切り直した。

「女性の人は前の穴とか後ろの穴とか、隠す人が多いから。そこは入念にチェックされるわ。クククク……」


 アスリーは少し考えて、言った。

「前の穴は?」

「だからそれは入念に……!」

「いや、尿道口のほう」

 少し時間が止まった気がした。ミュールは言う。

「流石にそこはチェックされないでしょうけど……! 一体、尿道口なんて狭いところにに何を隠すつもりなのよ!」

「……尿とか?」

「それただの尿でしょうよ!」

 アルテナ中尉は、つい吹きだしていた。この人も普段は真面目なのだがアスリーの言動にあてられている。

「粘膜吸収に耐えれば麻薬とかも持ち込めれるかも」

 #粘膜吸収は余裕で死ねます。……アルコールですら。良い子は真似しないように。

「(良い子は留置所送りにならないと思うけど……)」


 そのアスリーは、ポンと手を打った。

「んーとさ。ミュールちゃん」

「何?」

「前、トリカブト殺人事件ってあったじゃん?」

「……あまり具体的なことは言わないでほしいんだけど」

「じゃあ『十兵衛VS金田』のドーピングトリック」

「言うなって言ってるでしょ!」

「アレでさ。カプセルを何重にもして。胃で消化されないように通過させるとか、ケツ穴の奥深くまで押し込むとか。そうすればバレないんじゃない? 誰もそこまで見ることはないだろうし」

「でも……そんなカプセルに入るものなんて、物凄く微量な液体しか……」

「尿とか」

「だからそんなの水飲んで自分で生成すればいいでしょ!」


 アルテナ中尉は顔を下げて爆笑していた。……彼女にとっては極めて珍しいことであった。


 アスリーは言う。

「ところでミュールちゃんさ。昔『飲尿療法』って流行らなかった? あれ科学的根拠ないのかな? 身体が熱くなって免疫能力を高めるとか」

「いえ私の年代では全然……」

「尿って出たては無菌だから、飲んでも大丈夫らしい」

「有効成分までなくなってそうだけど……」

「やっぱりその程度の民間療法なのかな」

「単純に体内で濾過された老廃物な気もするしねぇ。でも……なんでアスリー先生はそんな尿関係に熱心なのよ!」

「だっていずれ、タングステン製の鞘で飲尿療法できるようになるかもしれないじゃん」

「意味わかんないわよ! できるわけないでしょ、そんなもの!」

 #(アヤナ隊長、ごめん)


「でもさ、尿関係に関しては割と真面目に医者の組合とか製薬会社の組合とかミネラルウォーターの組合とか、おしっこ関係の組合の陰謀かとも思うのよ」

「なによおしっこ関係の会社って……」

「だって聖水って、対ドラキュラ相手の必殺兵器じゃん!?」

「いえ、民間人の聖水は多分効果がないと……」

「じゃあどんな資格取ればいいのさ」

「資格、でいいのかなぁ……」


「でも若い美女の聖水ってドラキュラに対してもご褒美かも」

「はぁ」

「あ、それで神父さんとかの男の聖水を使うんだね!」


 言い合っているアスリーとミュールに、アルテナ中尉はうつむいて笑っていた。……仮にも部下のまでなので大袈裟に笑うことは出来ないが。


-----


これは「留置所の話」ですが、次回こそはようやく警察署に到着するかも。……多分。



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