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エピローグ

 ロロもグラも、二人とも暇さえあれば、立っている。日が昇ってから、沈むまで立っている。壊すことには意義があって、でも壊したこと自体にも重みがある。それをよく知っている彼らは、もう良いと言われても立っている。

 人には、歴史がある。ロロにもグラにも、お爺さんにもお婆さんにも、老いた彼にも歴史はある。歴史は——目には見えない。見えないものは、想像する他に無い。

 けれども、想像はするだけ損だ。ほとんど現実にはならない。けれども、偶に大切なことを探り当てられることがある。考えないでいられる内は、傷つかない。それは、ストムにもかつてあった、少年時代のことである。が、考えることを覚えた者は、必死に考えなければならない。違和感を生じるものの、何たるかを考えなくてはならない。自分の思いもよらぬことを、考えなくてはならない。考えない者は、知らぬ間に人を傷つけ、老いていく。

 ところで、ストムは考える。何が悪で何が善かを考える。自身の生き方を考える。好きなものと嫌いなものの分別をつける為に、考える。だからストム少年はまだ見ていなかったものを、これから見るのだ。

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