表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ピンク色した小さなクジラ

作者: 朝焼 悠

ピンク色した

小さなクジラ

収納ケースを

探し歩いていた

家具屋さんの棚の隅


その真っ黒な瞳で

通り過ぎる人たちを

一人ぼっちで眺めていた


目が合ったわけでも

呼ばれた気がしたわけでもない


気になって覗いてみた

ヒレの先に

抱きまくらって

打たれていた銘にしては

小さすぎるのが

ここにいる原因なのかな


ピンク色が

なにか暗い色した寂しさを

不自然な鮮やかさで縁取っている


売れ残りだとか

取り残されたんだとか

別に

僕とおんなじだからって

哀れんだわけじゃない


なんか

テレビで

抱きまくら

あったほうが

睡眠の質が上がるって

専門家の人が言っていたのを

たまたま思い出しただけ


収納ケースの中に

入れて持って帰れるから

袋とか要らなかったから


ピンク色した

小さいクジラ

今は毎朝一番で

転げ落ちているベッドの下から

僕に拾い上げられている


洗濯繰り返してきたせいで

少し体が波打ち始めて

その真っ黒な瞳には

時々毛玉がついていたりして


ピンク色した

小さなクジラ

こっちは一日乗り越えるのに

四苦八苦してるのに

ベットシーツの海の上

優雅に浮かんで過ごしてる


まあ毎晩

こんな可愛くもない人間の隣りにいて

挙げ句

ベッドからも落っことされながら

任務を全うしてくれているのだから


それくらいは

許してやるか


ピンク色した

小さなクジラ


だから

たまに寝坊して

落っことしたままに

してしまうときがあるのも

お互い様ってことで


どうか許してくださいね

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ふわわ!! めちゃくちゃ可愛いじゃん!! 萌える♡♪ たまらぬ良き詩を、 ありがとうございます!!朝焼さん!!(*´∀`*)ノ☆彡 かわわ♡♪(っ´ω`c)☆彡(*´Д`*)
[一言] ピンク色のクジラさんを思い浮かべながら、その風景の微笑ましさにほっこり癒されました。 一生懸命に任務を全うしてくれるクジラさん、そんなクジラさんをそっと床から引き揚げる主人公、優しい世界でい…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ