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【0:0:1】君想う一夜
眠る君が身じろぎをした
寝苦し気な声を漏らして
だけど、その息はすぐに穏やかにかわった
キスをすれば起きてしまうだろうか
指を絡めれば、気づかれるだろうか
その髪に、頬に、首筋に
触れたい気持ちを飲みこんだ
口の中で言葉を転がす
甘いような、切ないような
寂しいような、嬉しいような
おやすみ、ではなくて
好き、でもなくて
何を伝えたいのだろう
君に伝えたいのだけれど
それは上手く言葉にならなくて
君に触れられないまま
君に届けられないまま
寄り添えば起こしてしまいそうで
だけど離れることもできなくて
何も言わずに気づいてほしいなんて
少しのズルさを胸に隠して
今夜はきっと眠れない
穏やかに眠る君を羨みながら
君との距離に悩むんだろう
君の、優しい呆れ顔だけは想像できた




