【0:0:1】分岐点
本当に諦めるのかい?
いや、別に君を責めようってわけじゃない
その選択だって君の道だ
この道の先に成功があるなんて無責任なことは言えないし
あっちの道こそ、君の才能を花開かせるかもしれない
それは私には分からないことだよ
だから、私は君が何を選ぼうと責めも、咎めもしない
ただ、私は私の感情として、感想として、読者として
勿体ないと、そう思うだけだ
良いのかいと、問うだけだ
才能は分からない
成功も分からない
君が費やしてきた沢山のものを知っているわけでもない
だから、無責任に言うしかない
君が好きだったと
一心不乱に、打ち込む君が
何かを成そうと、身すら削るように生きる君が
私には眩く、羨ましく見えていたと伝える他ない
申し訳ないとは思っているよ
これが君にとってどれだけの負担になるかくらい、想像がついているのだけど
捨てようとする君に、残酷なことくらいは分かっているのだけど
どうしても、伝えずにはいられないんだよ
君に人生を捨てろと迫っているようなもので
君に死んでしまえと笑いかけているのと変わりはしない
それほどに君が追い詰められて
それくらいに、悩んで、迷って、今ここにいることくらいは分かる
分かる、つもりなんだけどね
それでも、今言わなければ
今、伝えなければ
きっともう二度と君に届けることはできないだろうから
だからね、何度でも言うよ
捨てる君を責めるつもりはない
だけど、私は君が好きだよ
この道を行く君が、どうしようもなく、好きだ
私は君を助けられない
私は君を殺そうとしている
そのうえで聞いてほしい
私のために、たかが一読者のために、死んではくれないかい
君の才能を信じてやまない、一観客のためにその苦痛を受け止めてはくれないか
その果てが、地獄だとしても
今ここが、悪夢だとしても
私はね、そう望むほどに、君が好きなんだ
君のつくる世界が、好きなんだ
諦めないでほしい
どこまでも、私の傲慢でしかないのだけど
どんな悪意よりも、残酷なことを承知の上で
私は君に、ここで死んでほしいんだ




