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【0:0:1】教えてあげない
会いたいんだよバカ
って叫んでテーブルに突っ伏した
一か月なんて永遠と変わらないし
一週間なんて地獄だし
明日だって遠すぎる
『大袈裟だなぁ』とか緩い顔で笑う君が浮かんで
薄く目を閉じるその顔も、揺れるまつ毛も浮かぶくらいの鮮明さで
たぶんきっとこの想像は間違ってなくて
どうせそんな君だから
どれくらい君が好きで
どれくらい君に会いたくて
どれくらい君が足りてないか
絶対君は分かってない
君に伝わればいいのにって思うけど
言葉にするのは恥ずかしいし
態度にするのはちょっとむかつく
結局可愛げもなく君のいない場所でしか叫べない
馬鹿だなって
素直じゃないなって
損してるなぁとか
もやりもやりねちゃりどろりと、心が黒く
だけど知ってる
そんな時に限って
そんな時にばっかり
『時間ある?』って呑気な君の
絶対何も分かってないのに
どうせ何も気づいてないのに
バカって叫ぶくらいしか、できやしない
ニヤニヤしちゃうのは、見せてやらない




