【1:1:0】彼氏特権
◆ねぇ、好きなんです。好きが止まらなくて、大好きで。どうしようもないくらい大好きで、愛してるんです。だから、私のことだけ見ててください。私だけを必要として、私だけを愛して、私だけで良いって、そう言って欲しいんです……ダメ、ですか?
◆……いや、こわ
◇別に怖くないだろ
◆いや、怖いよ、圧がすごいよ
◇ちょっと好きが溢れてるだけだろ
◆また性癖の出たボイス台本書いたね
◇むしろ性癖の出ない台本に何の意味があるんだ
◆言い切ったね
◇俺は皆が心に秘めて言葉にできない欲望と性癖を形にしてやるのが仕事なのに、その俺が性癖を隠してどこにでもあるもの作ってどうするんだよ
◆あくまで皆のためだと
◇そして俺のためだ
◆だからこんなものを書くと
◇そうだ
◆だからそれを私に読ませると
◇俺の好きな声で、俺の好きな人が、俺の性癖を満たしてくれる。これ以上の楽しみがあるか?
◆恥を捨て去りすぎだと思うよ
◇台本なんてもの書いてる時点でそんなもの彼方に置き去りだわ
◆というか、読まされるたびに思うんだけど……こういうのが良いの?
◇いいや、まったく
◆はぁ……?
◇それ読んで、自分とかけ離れたキャラにちょっと凹んでるお前が好きだし
◇慣れないことやらされて照れてるお前が好き
◆あの……
◇総合して言うと、お前が好き
◆私金輪際読むの嫌なんだけど……




