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第1話  VS先生の巻☆

-----〈 私立綱正学園:1年1組教室 〉-----


 キンコンカンコーン~♪♪

 学校で一番楽しげに聞こえる終礼の鐘の音だ。


「さよなら~!!」

 真白(ましろ) (ゆい)は机の上の筆記用具とノートを鞄に詰め込むと駆け出した。

 健全な女子高生にとってはゲームにアニメに……やりたいことなんていっぱいあるのだ、

 一分一秒が惜しい。


「おいちょっと待て」

 教室から出ようとしたところを、担任の高橋先生に呼び止められる


 グフッ


 襟を掴まれて、危うく首が閉まるところだ。

 


「何するんですか!?」

 真白は抗議の目を高橋先生に向ける。

 高橋先生は真白の抗議なんか気にも留めず、冷ややかな目で見ている。


 高橋先生は襟から手を放すと、ため息をついた。

「今日は居残りだ」


「ええっ!?」

「家に帰ってゲーム三昧と決め込むつもりだったのに~」

「私“今日は”なにも悪いことしてないですよね……?」


 そう言う真白だが、居残りについての心当たりは山ほどある。

 割ってしまった窓の弁償、何度も注意されている目立つ赤いリボンの着用、そして10月になっても提出していない夏休みの宿題……

 記憶の奥底に封印していた今までの悪行がどんどんと思いだされる。


「夏休みの宿題なら、もう10月だし時効ですよ」

 真白は口をすぼめて、抗議する。


 高橋先生はそれを聞いて「あっ」と声を漏らした。

 どうやら、全くの別件で声をかけたのだが真白の余計な一言で思い出してしまったらしい。

 真白はしまったという顔をして、口を覆うがもう手遅れだ。


「真白、いい加減に夏休みの宿題出せっ!!」

 高橋先生は顔を真っ赤にして追求してくる。



―――――――――――――――――― 

 ▶適当な嘘で誤魔化す

  もう提出したとしらを切る

  正直に説明して謝る

―――――――――――――――――― 

  

▶適当な嘘で誤魔化す


「あ~そういえば、昨日徹夜で終わらせたんだった~」

「せっかく終わったのに、持ってくるの忘れちゃった~」


「じゃあ、明日提出しろよ」

「もう、終わってるんだろ?」

 高橋先生は冷静に指摘した。


 グサッ


>>真白は精神的ダメージを1受けた



▶もう提出したとしらを切る


「嫌だな~とっくの昔に提出したじゃないですか」

「忘れちゃったんですか?」


「ちゃんと提出記録を付けてるから、嘘なのバレバレだぞ」

 高橋先生はきっちりした性格だった。


 グサッ


>>真白は精神的ダメージを1受けた



▶正直に説明して謝る


「すみません、全然おわってません……」

 真白はうつむいて正直に白状した。

 どの宿題も1ページたりとも進んでいない。


「はぁ~~~~~」

 高橋先生はながーいため息をついて、落胆の表情をあらわにする。

 しかし、すぐに優しい顔に戻って真白を諭す。


「少しずつでいいから進めるんだぞ……」


「はぁい……」


「それと今日は夏休みの宿題とは関係なく居残りだ」


「じゃあ、なんなんですか」

 真白がムスッとした顔をして先を促す。


「今日、飼育委員の子が風邪で休みでな」

「変わりにウサギの世話を頼みたいんだ」


「ええ~なんで私なんですか?」

 

「だってお前、ニートだし暇だろ?」


 この私立綱正学園しりつこうせいがくえんでは、生徒全員がなにかしらの部活や委員会に所属し

て、学校運営に積極的に参加することを推奨されている。

 真白のように部活にも委員会にも所属しない者は“ニート”と呼ばれて学園内でも蔑まれているのだ。


「ぐぬぬ……」

 真白は言い返すことが出来ずに口ごもった。


「それじゃあ、これがウサギ小屋の鍵だから世話頼んだぞ」

 高橋先生はそう言うと真白に鍵を無理やり押し付けた。


>>真白は『ウサギ小屋の鍵』を入手した


「ちゃんと施錠して、鍵は職員室に帰すんだぜ~い」

 そう言い残すと高橋先生は手をひらひらと振りながら教室を後にした。


 真白はぽつんと1人取り残されて、渋々ウサギ小屋へと向かった。

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