表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チートだけどチートじゃない!  作者: たまねこ
7/10

第7話 能力説明!by 女神様


「で?防音魔法とやらはどうやってやるの?」


三人(監督さんは熟睡中につき不在)にこっぴどく絞られて、出ていったあとに小声で『女神様』に聞いてみた。


『まず、範囲を指定して、音声吸収!と唱えていただければ。』

「え?そんなにかんたんなの?」

『本当ならもっと複雑な魔法なのですが、あなたには女神の権限が使用可能ですので』

「……それなら早く言ってよね……」

『え?他の説明を行っていたのですが、』

「この部屋全体!音声吸収!」

『……完了しましたよ?』

「……え?光とか、それっぽい演出とかないの?」

『ないです。少なくとも今は目立つと殺されそうな気がしますので。』

「あ……」


状況をやっと察したエミリアであった。

遅いわ!


「で、なんで私はチートなのかの説明の続きを」

『え?チートだからですよ』

「自分のことについては知りたいんだけど……」

『あ……情報収集いたしますので少々お待ち下さい。分かりました。』

「情報収集早っ」

『まず、あなたの腕力です。腕力としてはこの世界の人間の平均値を10とすると89になります』

「強っ」

『そしてあなたの身長ですが、これは他の能力と釣り合いを取るため、チートにするわけにもいかないので、平均よりもかなり低くなっております』

「……」

『なのでそれ故か、先程近隣で暁の女神様はおチビさんなのですねとこぼした学生がいたのですが、信仰隊に左腕を骨折させられていましたね……』

「……(おいおいおいおいおいおいおい)」

『魔力は先程申し上げたようにほぼ無限です……私の魔力が少し削られますがなんとかなります!なんてったって、他の神に負けるわけにはいきませんから!ゲームのためよ!』


この女神、結構ひどいやつである。私を転生させといてゲーム呼ばわりとは……。


『体力は普通の人間の10倍です。そして職業は自分で魔法を開発できる大魔導師です』

「おれを呼ぶなら大魔道士とでも呼んでくれっ !!!」

『ポップさんですね……』

「あ、知ってるのね……」


『しかし実は大魔導師と書いたのですが私のミスです……本当のところは精霊召喚師なのでよく覚えておいてください。』

「……ミスね。了解。」

『……ちなみに体重も俊敏さに加勢させるために華奢と言われるくらいにしておきました。痩せ過ぎていて病的に見えてもあれなので』

(急に話題変わったな……でもちゃんと空気読めて助かった、KYな神様だと思ってたけど)

『私はKYではありませんよ?』

(なぜか心の中が読めるのは怖すぎる……なんか黒い雰囲気を感じるし!)

『ただの演出です。続けます。また、あなたの顔は意外とチートが効いたようです。ご両親が美人だったんでしょうか?……あれ、そこまでじゃありませんね……はっ!まさか!まさかまさかまさか!』

「?」

『!!私の美しさに、1ナノメートル単位ですが淀みができている!あなたのせいです!エミリア・ディ・ライフォン!』

「はぁぁぁぁぁ⁉」

謎な言いがかりをつけられ、女神様の怒り・ファイヤー(もどき?)をまともに食らってしまったのだった。

まあすぐに消火したが。


『……これ以上やっても私の魔力が消費されるだけなのでやめておきましょう。魔力の無駄な消費は好みません』

「打算的ですね……」

『……喧嘩売ってます?』

「いえ、滅相もございません!」


『よろしいです。ですがあなたのチート能力には致命的な欠点がございまして……』

「……契約違反ですねぇ……」


『いえ、決っっっっっしてそんなことはございません!致命的欠点は今までの全ての勇者や英雄に備わっていなければならないものでして……』

「ほう?」

『貴方様の欠点は、注意力不足です』


あー。だから転んでたのか……じゃないわ!


『あ、ついでにいうと、胸の成長速度もチートと釣り合いを保つためにまるでエルフのようなスピードで……』


「神魔王・大噴火レジェンドサイクロンフレアぁぁぁぁぁ!!!!!!」

『ふざけんな!怒ってるのは伝わるが私の魔力をこんなことに使うなぁぁぁぁぁ!!!!!!青水に告ぐ、我が名は女神、更なる潤を欲する者なり。蒼に輝く魔力を此処に。藍を統べる権威を我に。踏み行く先は青き領域の更なる奥地―――エンチャント・ブルー!超級ウォーターボーォォォォォル!!!!!!』


こんな戦いが、朝6時まで繰り広げられたのだった……。


……女神様は女神様だから詠唱は必要ないのに詠唱を行っていたことを考え合わせると、これもお遊び程度のイベントなのだろうか……と、気づいたのはもっと後であった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ