第4話 寮メンバーの顔合わせ
早速寮へ向かう許可が出たので寮室へ一番乗りした。寮は5人部屋で、もちろん女子だけである。男子と一緒に一室に住むなんて、同棲もいいところだ。
男子寮は談話室の向こう側だが、談話室の奥には実験室があるらしい。
寮室と言っても、5人用のスイートルームだ。個人の部屋が一つ、ベッドルームにはベッドが5人分。そしてキッチンやトイレも。忘れてはいけないのはダイニングである。結構飾りつけも上品でちょっと貴族っぽいかも。
「こんにちはー!って、あれ、一番乗りかな?まあそれはどうでもいいとして、ええっとダイニングはどこかな……ここは寝室、じゃあこっちか!うわ、トイレだ!」
騒がしいのが来たようだ。
ダイニングの扉を開けて、ひょこっと顔を出すと、すぐに見つかった。
金髪碧眼……ではなく、金髪とはちみつのような瞳。目はクリクリとしていて見るからに明朗快活で、お人好しの……エルフ。
うっかり耳の尖りを見逃すところだった。
「あ、先客がいたのか!いたなら返事して!」
「ごめんなさぁい」
反射的に謝る。
「大丈夫大丈夫!そういえば自己紹介しなきゃね。うちは子爵家の、エヴァ・ホワイト。おばあ様がエルフで、この耳は先祖返り。そっちは?」
「私はエミリア・ディ・ライフォン。伯爵家長女だけd」
「え?伯爵家?なんでテンプロンじゃないのよ!」
「それは……。」
「ごめんなさい、聞いちゃだめなやつだったかしら?って、エミリア・ディ・ライフォン⁉」
「?そうだけど」
「うわぁぁぁ!馴れ馴れしく話しかけてしまい、申し訳ございませんでしたぁぁぁぁっ!!」
「え?」
「暁の女神になんと恐れ多いことを!!!」
「暁の……女神?誰?」
「暁の女神、エミリア様ぁ!!!!!」
待って待って何が起きた⁉
何その新興宗教!ってかエミリアっていう神なんていた?
ガチャッ
救いが訪れた!
パンパカパーン♪
RPG風の効果音が聞こえる!
ようやくこの意味不の状況から開放される……と、期待したのがいけなかった。
「失礼しまーす、ってなんでここに暁の女神様がいるのよ⁉」
「だから何その伝説!」
「A級ライナーをこてんぱんに破ったと言われる……」
「いや手加減知らなかっただけだから!」
「手加減!入学試験で手加減⁉」
「話が脱線してる!」
この赤髪ハーフアップにグレーのつり目の頼りになりそうな子も正体不明のエミリア様とやらの信仰者?もう、一体誰なのそいつは!迷惑で迷惑で仕方ない!さっさと***くれれば……
なんでもないです。
ガチャ
「失礼します。あの、ここの監督なのですが、隣の部屋に迷惑なのでお静かに……」
シーン
皆、根はいい子のようだ。とりあえず監督さんの言うことを聞いた。
カチャ
ドアが再び開いた。
「こんばんは、失礼しまーす。このパターンは最後ですか……?」
入ってきたのは黒髪ロングで紫色の目をしたおしとやかな感じの女の子。とっさに答えたのは明るいエヴァ。
「最後じゃないよー!まだ5人目が来てないから」
「5人目は監督じゃなかった?そういう情報を聞いたわ」
「となると、さっきの人?」
「「ですね」」
なんで私にだけ敬語⁉と、ちょっと悲しくなるが、すぐに立て直す。
「では、皆揃ったことだし、食堂にご飯食べに行きませんか?」
「「「賛成!」」」
四人目の子のお誘いに喜んで乗る声が重なる。
気が合いそうな四人であった。