第3話 入学試験__可憐な少女、なめんな!
こういう学園につきものなのはやっぱり入学試験。
私のチート加減を見せるときが来ましたね!!
どのくらいかは知らんけど。
まあ、これがフィクションならとんでもチートを見せつけるいい舞台なんだけどね。
入学試験はプロのライナーと対戦して、実力を測るみたいなもの。
前の子は風魔法を使ってたけど、シールドであっさり防がれた。結構腕が立つライナーらしい。
「エミリア・ディ・ライフォン!」
「はい」
対戦フィールドへ出る。
かなり広くて、これならどんな魔法をぶっ放しても大丈夫だろうと思う。
観客席には、観客、もとい、生徒のご両親方、がすし詰め状態だけどみんな黙ってみている。私の両親はいないけどね。だまりすぎて圧力がヤバそう……
フィールドの真ん中へ出ると、観客の視線が私に集中してるのが分かる。
ちょ!怖いから無言の圧力やめろって!
と、叫びそうになった。
まだチート能力1ミリも使ってない状況だけど、大丈夫かな……不安が残るが、ここはやるしかない。
とりあえず、走り幅跳びの容量で一気に距離をつめ……て…………?
ズサァッ
え?
視界が傾いた。
いやいやいや、なんでここで転ぶかな⁉
目の前の試験官もフリーズ中。
あれ?これは、攻撃のチャンスなのでは??
すっくと立ち上がり、呪文を堂々と唱える。
テキトーです。詠唱とか知らないから。
「敵の弱みを握りし精霊よ、攻撃せよ。獄炎巨人!」
目の前に黄金に光る魔法陣が出現し、半透明の皮膚の赤いでっかい謎の精霊のようなものが出てきた。
え、こいつだれ?
ってかテキトーな呪文にしてはちゃんと効いた……
私の中二病センスは健全です!
ってことなのかな……?
なんか知らんがこの精霊、クルッと回って消えた、と思うとともに回った時の風で火事が起きた……!!??
しかも敵側だけ!ナイスコントロール!!
「っはっ、シールドシールドシールドシールドシールドォォォォ!!!!!」
攻撃に即座に反応できたところを見ると、やっぱプロだなぁと思うけど、そんなにシールド必要?
バリン、バリンバリン、バリンバリン!
ピシッ、ガラガラガラ……
今しがたでた音の説明をすると、シールドが5枚破れた音と、装備にヒビが入り、崩れ落ちた音。
「見た目と違う……」
試験官がつぶやいた言葉はフィールドに響いた。
って、見た目と違うって何なんだ!!!
私は正真正銘の超チート転生者なんだから!
可憐な少女、なめんな!!
そのつぶやきのきっかり8秒後に観客の殆どが声を揃えた。
「それな!!!!!!!!」
なんなんだ……心の底から、なんなんだ君ら……
なぜに地球の造成語である「それな」を知っているんだ!!!!!
そしてなぜ言語が全く違うくせして発音が同じなのか!!?
色々と疑問は残るが、万国共通だったということで、一件落着?。