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スミオの詩
週末の夜にスミオは新しく見つけたアルバイト代が入ったので、ボコリと1980円食べ放題の店で来月のフリマに出す詩をボコリに見せる。
ボコリが言う。
「今回の詩は、なんかアンチソーシャルの香りと乾いたギターの音、聞いてるみたいで雰囲気あるわ 」
スミオが言う。
「白いTシャツにこの詩をプリントして売るわ 」
病気のギルバート
僕のギターが泣いている
僕のギターが酸素不足で窒息しそうだ
青空を見ながらギターをかき鳴らす場所が無くなってしまった
僕のギターの名前はギルバート
ギルバートがあぶない
ガンバレ ギルバート呼吸をしてくれ
店で買ってきた気休めの薬だけど......
月光の河
運命という鉄の船があるなら
僕は乗らない
希望という泥の船があるなら
僕はそれに乗って宇宙に行くだろう
絶望という列車があるのなら
僕はその窓ガラスを叩き割って
君を窓から連れ去るだろう