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〜プロロオグ〜
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汝 我の 愛しき仔
我の 忠実なる 祈り仔よ
其の全き忠を 我に捧げよ
集え 仔ら
約束の地 カナンへと
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー
「…分かってるよ」
俺は、頭の中で耐えず語りかける声に向けて答えた。
「分かってるよ。俺は、貴女のところへ、行くから。」
手に携えたナイフを放り、俺は自身の首にある痣を撫でた。
この痣こそが、証。
俺が選ばれた者だという、証なのだから。
「……待っててよ」
あなたが授けた愛しき刻印を、俺は何度も何度も愛撫する。
深紅の血に塗れた手で、何度も。