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[翼を繕って]

こんにちは。ミカヅキカゲリです。


詩の連載です。


こう云う挑戦をするひとも居るのだと云うことを知っていただけたら、幸いです♪


よろしくおねがいしますm(__)m

[翼を繕って]


 わたしは6年前に四肢麻痺になった。

 病院にいたこともある。

 施設で暮らしていたこともある。

 何一つ自分ひとりではできない。

 わたしの人生はもう余生、そんな風に思っていた。


 でも、わたしの人生、このままあきらめてしまっても善いのか。

 結論は、「人生を取り戻す」だった。


   [人生を耕す]


   その昔、わたしは空を目指した。

   けれど、翔べず、この地上に墜ちてしまった。

   翼は折れ、わたしは囚われた。空をあきらめかけた。


   しかし、折れた翼は繕えることを

   空はあきらめなくてもいいことを

   わたしは知ってしまった。


   だから、わたしは自分の人生を取り戻す。

   今度こそ、上ばかり視て足元が覚束なくなるのではなくて、高みを目指しつつ地に足を着けよう。

   人生を耕す。わたしはわたしをあきらめない。


   2012.09.28.


 そうして、ひとり暮らしをはじめた今、毎日を自分のためにだけ時間を使って暮らしている。


 仮令たとえば今日は、お風呂に入った。

 施設で暮らしていたころのように時間に追われてろくに洗ってもらえないなんてことはない。

 気紛れでシャンプーを三回した。

 「そうなったら、もう湯浴ゆあみやね」昔の施設のスタッフに最近の様子を伝えたら云われた。「どこの貴族なん」


 仮令たとえば今日は、チリコンカン(豆料理)を作った。

 介助者に、「聞いたこともありませんよ」と云われながら。「美味しくなる予定だから、信じて作ってみて、」と云いながら。

 美味しくできて、わたしは悦に入る。


 今、わたしは障害者だ。

 だけど、もっと前には、隠れた発達障害を持つ、健常者だった。

 健常者だったあの日々。

 苦しかった。

 どうやっても「ふつう」になれず、絶望していた。

 わたしの翼は折れた。


 それから較べるとき、今は「ズルをしている」みたいに楽だ。

 四肢麻痺であるわたしに何かできないからと云って、それは当たり前だからだ。

 高機能自閉症だと云うことも、今の介助者は念頭において接してくれる。身体のみを対象にした施設では無視されていたところだ。しかし、わたしの中では四肢麻痺よりもずっと重大。QOLに直結する。


 勿論もちろん、ただ、ひとりで暮らすだけなら、健常者だったころにもやっていた。

 あの、ひとりきりの、孤独で苦しみに満ちた日々。


 それと、今は全然違う。


 違うものにするために、わたしは自分に約束した。

 ひとりぼっちにならない。

 相談できる仲間がいることのありがたみを忘れない。

 地に足を着けて人生を耕す。


 わたしは今、ひとり暮らししながら、自己実現を目指しているところだ。

 翼を繕ってまた高みを目指すわたしの挑戦が誰かの勇気になれるかも知れない。

 自己実現だけでなく、社会変革できるかも知れない。


 わたしがやっていることは、経済的には無価値だ。

 だけど、歌のように経済的に無価値なものでも、世界には必要なはず。

 働き続けるアリが、一瞬、手を休めて立ち寄る場所としての文化。その後また日常に戻って行くための勇気に、わたしはなりたいのだ。


 わたしは税金に頼らなければ、生きて行けない。


 ぢゃ、無価値なのか?


 そんなことはないはずだとわたしは思う。

 世の中にはいろいろな理由から、「ふつう」よりも「弱い」人がいる。「弱い」人の立場を獲得することで、社会はよりやさしくなれる。より成熟できる。

 だから、障害者はただ生きているだけでもいい。社会を善くしてゆける。


 その前提に立ち、わたしは敢えて歌っていると云おう。

 歌は、わたしにとっての仕事。

 わたしの歌を通して、わたしは誰かの勇気になりたい。


 目指すのは革命。


 わたしには夢もある。

 文章を世に問うこと。

 それを通じて、人類全体を革命すること。

 そのために、わたしは暮らす。

 そのために、わたしは書く。

 翼を繕って、生きる。


2014.09.25.




[翼を繕って]

わたしのひとり暮らしのテーマ。


ともかくも、お読みいただきまして、ありがとうございました(o^∇^o)ノ

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