少女の憂鬱
ん…」
「お嬢さま!起きてください!」
「そうですわ!お嬢さま!お時間ですわよ!」
「う……さい…」
「はい?」
「うるさぁぁぁぁぁぁい!!!!」
こうしてシャレネットの1日は始まるー。
「よぉく来たな、シャレネット。」
今、私の目の前に立っている男は、パパのタイガーナ・リフレーネ。私の住んでいる島、ナーガ島の長。リフレーネグループの社長である。
「パパ…何度も言うけれど…私、外に出たいの!!」
「ダメだ。お前は能力者としてはまだまだ未熟。あと10年はここで鍛えろ、シャレネット。」
能力者ー。それは世界で代々聖なる者として扱われてきた者。世界には様々な能力者がいるが、世界人口の0.1にも満たない貴重な存在である。パパは能力者の1人である。パパは世界有数の能力者ランク、1位を26年間勝ち取っている。
「10年!?老けちゃうじゃない!!ああもう付き合ってらんない!」
パパにはいつもはぐらかされる。私は能力者だが、何故能力を使えないのかー。
時間は経ち夜。思い切って家出をしてみた。現在地は浜辺。
「パパの馬鹿…阿呆ぅ…ぐすっ」
パパの言ってることがわからない。何故、何故教えてくれないの。なんでなんでなんでなんでなんでなんでっ…!!
「なんで…っ!」
そう私が呟いていると独り言が響く浜辺に1人の足音が鳴る。
ジャリッジャリッジャリッ
「だっ…誰っ!!?」
「うおっ…!と。」
二人の言葉が混ざり合う。
どうやら相手は男性らしい。
「何だお前…って泣いてる!?」
月明かりに照らされて映し出されたのは黄金に輝く金髪の髪の持ち主。青の瞳が輝かしい。
「綺麗…」
無意識に彼の髪を触る。居心地のよいさらさらな髪だ。
「っ…///な、何するんだっ…///」
彼は赤面しながら私の手をはたく。
「ご、ごめん…なさい。」
「んで?お前、誰?」
「え、えと...シャレネット・リフレーネ...」
「ええっ!リフレーネだと...!?」
青年は驚いた顔で私を見つめたーー。
「な...に...?ってふぁっ!」
「やっと...やっと会えた...っ」
青年はシャレネットを突然抱きしめた..
「え?ちょっと...っ///」
「能力ーー、絶対服従。」