第六章 逃避行
一
あれから一ヶ月、何事もなくラーベスに向かっていた。
途中ウェルペクド王国とペリン王国を無事通過し、今はエルバ王国領にいる。といっても、ヨルムヘルイド連合王国内での移動なので、国境を越えるのもそれほど手間がかかる事はない。
なんでも用件があるとかで、一日だけエルバ王国の首都に立ち寄ったけど、ロルベルトさんだけが王国の城に行った。理由はよく分からない。
「ヨルムヘルイド連合王国が、こんなに広かったなんて……」
戦っていた敵がどういうものなのか、今までまるで分かっていなかった。
タルツーク王国と違い、広大な面積を支配しているのはもちろん、そこから産出される様々な物資は目を見張るものがある。
今いるエルバ王国は農業国だけど、この国の農業生産力だけで、タルツーク王国の農業生産力の数倍を有しているのは、見た目にも明らか。
「なぜタルツーク王国が、我々に戦争を仕掛けたのか、私にはどうしても分かりません。長期戦になれば我々に有利です。それでもタルツーク王国はすごいとは思いますけどね。かなり長い間戦争をしていたのに、私たち連合が簡単には打ち破れなかった」
ただ頷く。戦争の事は僕は何も知らないに等しいけど、これだけの国と戦うのは容易じゃなかったはず。
「確かに竜人は力も強いし、魔力も高いかもしれないが、ヨルムヘルイド連合王国は、五つの王国で構成されている巨大な連合国家だ。よほど確実な作戦でもない限り、自殺行為だな。しかし、竜人の力は俺も認めざるを得ない」
「それにしても、本当に長閑ですね。タルツークにはこんなに長閑な光景はありませんでした」
タルツーク王国は、山が多い地形だったため、一カ所に一つのものが密集しているという事はなかった。
そもそも、密集できるだけの土地は少なかった。農地の隣に工房があると思えば、住宅地の隣が砦になっている事すらある。農地の真ん中に兵の訓練所があったりもした。それが所々に散在していて、おかげで面倒も多かった。
「色々な国があるという事です。ヨルムヘルイド連合王国にしても、もし別々ならタルツーク王国に対抗出来ないかもしれません。それを見越してタルツークが同盟関係を崩せば、戦いは違ったものになったかもしれませんね」
ロルベルトさんの言う事に、ただただ感心するばかりで、なぜ父がそうしなかったのか分からない。
「おいおい、もしかしたらまた敵になるかもしれない奴に、そんな事言う奴があるか」
ペルさんが、どこかにやけながら言う。そんな事はあり得ないと言いたげだ。
確かに今の僕には、そんな事は出来ないと思う。でも、もし国を再興出来れば、同じ過ちだけは繰り返さないと心に誓うしかない。
それに、出来ればもう戦争なんかしたくない。
「しかしこの馬車遅いな。客は俺たちだけなのに、もう少し早く行ってくれても良さそうだが。ウェルペクド王国の、ロバ馬車みたいに遅い」
ペルさんお得意の文句が出る。
前にものんびり走っていた馬車に、速度が遅いと文句を言っていた事があった。僕もロルベルトさんもあまり気にしていないけど、ペルさんだけは気になるらしい。
「こんな長閑な場所ですからね。きっと御者ものんびりなんですよ」
ロルベルトさんが、それが当たり前だとばかりに指摘するので、今度はペルさんの方が呆れている始末。
「なんかこう、効率が悪いんだよな。早く行く所は早く行った方がいいだろうに」
そんなやりとり見ていると、突然馬車が止まった。
「ん、どうして止まったんだ?」
前を見ると、御者が慌てるように逃げ出している。
何事かと思って御者のいなくなった前の方を見ると、何人もの人だかりが馬車の前にいた。
慌てて馬車から降りると、前だけでなく後ろにも人だかりが出来ている。そして、その誰もが武器を持っていた。
「そこの竜人、お前がエルヤ・オル・セルバロードだな!」
前にいた、灰色の翼の有翼人が叫んだ。僕たちは思わず顔を見合わせ、武器を手にする。
「人違いだ、彼はアーツ・メルサ。そこを通してもらいたい!」
今度はペルさんが声を張り上げる。すると前後の人だかりから笑い声があがった。
「分かってるんだよ! お前の首には懸賞金がかかってるんでな。悪いが命はもらうぞ!」
そう言い終わらないうちに、一斉に前後の人だかりが馬車に向かってきた。僕は剣を構えようとする。
「早く馬車に!」
ロルベルトさんはいつの間にか、御者台にいた。僕とペルさんが急ぎ馬車に飛び乗ると、その瞬間馬車が勢いよく走り出した。
「あの人数では、多勢に無勢です。今は逃げるべきです」
確かにそのとおりだ。相手の数は、ざっと三十人前後くらい。三人で相手を出来る数ではない。
「一体どういう事だ? 情報が漏れているじゃないか!」
ペルさんが遠ざかる集団を見ながら言う。かなり苛ついているみたい。
運良く敵は飛び道具を持っていなかったようで、弓矢などが飛んでくる事はなかった。どんどん馬車は相手の集団を引き離してゆく。
「困りましたね。ヨルムド王国まで、馬車ならあと三日もあれば着きますが、これでは三日で着かないかもしれません」
そう言いながら、ロルベルトさんは馬車を大きな通りから小さな脇道にそらす。
「全速で駆け抜ければ、何とかならないか?」
ペルさんの意見に賛成しようとすると、ロルベルトさんは首を横に振った。
「まだ先で待ち伏せされている可能性もありますし、次は今のようにいかないかもしれません。作戦を考えないといけませんね。どちらにしろ、今は隠れるのが先です」
幸いな事に、だんだん森に近づいており、隠れるには申し分なかった。
「内通者がいる訳か……それだと、ヨルムド王国についても安心は出来ないな」
僕たちはこの後どうするか考えるべく、森の奥へと進んでいった。
二
馬車を途中で乗り捨て、森の中を歩く。
幸い馬車には周囲の地図があり、森の地図もあったので、今いる位置の見当はだいたいついた。
馬車は僕らが降りた後、ペルさんが馬に鞭を打って、あらぬ方向に走らせた。これで追えなくなると言っていた。
「有翼族もいましたからね。今頃、空からも探していると思いますよ。ですから、昼間は行動を控えるべきです」
森の外れで状況を伺いながら、周囲を観察する。人影は見えなかったけど、警戒を怠るわけにはいかない。
「あの様子だと、メルサだけじゃなく、俺たちの顔も割れてるな。どうにかして先に進まないと面倒だ」
ペルさんが地面に地図を広げながら、道を確認していた。
今いる位置からだと、一番近い国境まで徒歩で四日。それも昼間歩いての距離なので、夜中だともっと長くなる事は想像に難しくない。
「メルサは、前のように飛ぶ事は出来ませんか?」
首を横に振る。あの後何度も挑戦したけど、一人で満足に飛ぶ事すら出来なかった。なぜガーランを運べたのか不思議なくらい。
「という事は、何としても闇夜に紛れて抜けるしかないという事だ。どこかで馬でも調達出来れば話は早いんだが」
ペルさんの言いたい事は分かるけど、周囲は広大な畑が広がるばかりで、馬がいそうな気配はない。
「さっきの馬を使えば良かったんじゃ?」
「それだと、荷車をそのままにしなくちゃならない。そこから俺たちがどこで降りたか分かる。出来ればどこで降りたかも分からない方がいい」
「馬三頭となると、なかなか見つかりそうにないでしょうしね」
借りるにしても奪うにしても、馬三頭が近くにいる保証などどこにもない。ロルベルトさんに頷くしかなかった。
「これでラーベスに着いたら、王子が暗殺されていたなんて事無いよな?」
「ありえますよ」
ロルベルトさんが、あっさり肯定した。背筋がなんだか寒い。
「どのような形でメルサの事を知ったのかは分かりませんが、メルサの正体を知っている以上、王子に近い人物が関与しているはずです。当然、王子に対して快く思っていないはず。機会さえあれば暗殺する事は十分に考えられます」
非情にも聞こえたけど、確かに正しいとも思う。
「しかし、俺たちはラーベスに向かう以外に道はない。八方塞がりじゃないか」
まるで敵の懐に飛び込む事になるようで嫌だけど、道はそれしかなさそうに思えるのも確か。
「少し遠回りかもしれませんが、森の周囲に沿ってしばらく行くと町があります。そこなら何とかなるかもしれません」
ロルベルトさんの指摘するとおり、地図ではしばらく森の外周を行った所に町があるようだ。
「ここで喋っていてもどうしようもないか。じゃあその町に行こう。距離は?」
「歩いて一日半です。もちろん昼間歩いての距離ですが」
その言葉に二人で絶句する。
「他に方法があればよいのですが、それ以外にないと思います」
仕方ないとばかりに、荷物をまとめ歩き出した。
三
結局地図に出ていた町まで、夜通し歩いて三日かかった。
誰かに見られている可能性がある以上、明かりを点けるわけにもいかず、どうしても歩く速度は遅くなる。
ペルさんが馬車にあったランプを持ってくれば良かったと愚痴を言っていたけど、それはそれで面倒に巻き込まれそう。
唯一の明かりは月だけど、その明かりも森の中を歩いては、あまり光は届かない。
追っ手は夜目が効く可能性もある以上、森から出るわけにもいかなかった。
でも苦労して移動した甲斐あって、着いた町には追っ手はいない感じ。
目立たないように宿に入り、出来るだけ目立たないように心がける事にした。
部屋で食事を摂りながら、今後どうするか三人で相談。
食事は宿のすぐ近くにあった食べ物屋のをいくつか持ち帰りした。食事そのものは、パンが何種類かと、芋を茹でただけの物。簡素な食事だけど、他に短時間で用意してもらえる物がなかったみたい。
出来るだけ目立たないようにしないといけないので、こればかりは仕方がない。
パンはとても美味しくて、それぞれに異なった木の実が、砕いて入っていたり、干しぶどうが入っていたりした。芋の方も何種類かあるみたいだけど、甘い芋もあれば、そうじゃない物もある。
僕らは朝一番の馬車に飛び乗る事に決めて、とにかく一度国境から離れる事にした。
本当なら、国境に直接行く馬車に乗りたかったけど、そういった馬車は見張られている可能性が高いので、面倒だけどペルさんの提案でこの方法を採る事にした。
朝まで追っ手が現れる事はなく、隣町までゆく馬車に飛び乗る。
「この分だと、国境まで十日以上かかるかもしれませんね」
ロルベルトさんの指摘通り、馬車を乗り継いで、しかも遠回りしての行程なので、国境までかなり時間を無駄にすると思う。だけど危険を避けるためには、仕方のない事だと思う。
「一番の問題は国境周辺だな。国境警備隊が買収されている可能性ももちろんあるが、それ以上に待ち伏せされている可能性が高い。抜けられる場所は限られているからな。という事は、最後は歩いて隠れながら国境を越えるしかないわけだ。下手をすれば、道無き道を歩いてな」
ペルさんの指摘に頷く。
何とかこれまでは追っ手を振り切っているけど、それは単に偶然かもしれないし、最初から国境で待ち伏せしているかもしれない。そう思うと先が暗い。
「メルサはやっぱり飛べませんよね?」
「はい……」
飛べないものは仕方がなかった。何度挑戦してもどうしても飛ぶ事が出来ない。せっかくガーランがくれた翼なのに、まともに使えないのが悔い。
「無理な事を期待しても、無駄だ。今できる方法を考えよう。それに、国境に到達する前だって、安全とはいえないからな」
僕たちはペルさんの言葉に無言で頷く。
「私は別の危険も考えなければならないと思っていますが……」
ロルベルトさんが、僕を見ながら心配そうな目をしている。
「もしまたメルサが、我を忘れるような事があって暴走したとき、今度は我々も巻き込まれるかもしれません。あれだけの破壊力です。敵だけに被害が及ぶとは考えにくい」
そう言われて、何も言えない。
「まあ、逃げるしかないな。俺が思いつくのはそれだけだ」
ロルベルトさんは呆気にとられている。
「他に方法なんか無いと思うぞ。それに、危なくなったら逃げるのは当然の判断だ。別に悪い事じゃない。軍だって同じだ」
そこまで言われた事に少しムッとしたけど、何も言い返せないのが腹立たしかった。
四
「くそっ、町に入る前に待ち伏せか!」
国境まで馬車であと二日の距離まで来た所で、町の入り口で待ち伏せされていた。
予想はしていたし、人数的には何とかなるかもと思っていたら間違いだった。
体格や装備を見るに、傭兵のようにも見えるし、暗殺を専門にした人にも見える。少なくとも簡単に倒せる相手じゃないのはすぐ判る。
「ペル、後ろ!」
僕はとっさに剣を横に振り、敵をなぎ払う。
「すまない、メルサ!」
「へへ、こっちは十人だ。どこまで持ちこたえられるかな?」
相手の真っ黒な熊族の男は、あざけ笑っている。彼がリーダー格のようだ。二リールを遙かに超えるこの男が、当然力も強くて手強い。そして人数。三人で十人では不利にも程がある。相手は戦闘に手慣れているのは確か。
「ヨールド!」
空いている左手で魔法を唱え、左側に風の障壁を作った。魔方陣を描く暇がないので防御力は脆いけど、無いよりはましなはず。
「それで防御のつもりか?」
その障壁をいとも簡単に、熊族の大斧で分断される。
片手で、しかも完全とはいえない魔法では、その効果はやはり低かった。障壁は一瞬にして消える。
「メルサ、槍を!」
「いいのか!?」
ペルさんは反対したいみたいだけど、そうも言っていられない。
剣を捨てナイフを取り出すと、槍のイメージを思い浮かべる。瞬時にナイフは槍に変化した。
「なにぃ!」
突然現れた槍に、敵は一瞬の隙を作る。前にいた灰色の犬族の男に突進した。
「ぐふぅ……」
鈍い音と共に、槍が男の胸を貫通する。
「エルサ!」
ガーランから教わった魔法を発動した。槍先から水しぶきが現れる。相手の背中から激しく水が噴き出した。
槍先からは血が流れ落ちている。いや、吹き出しているといった感じ。腹の部分はめちゃくちゃで、すでに目には生気が無かった。
「貴様ぁ!」
その隣にいた同じ犬族の男が、僕に突進してきた。それをロルベルトさんが切る。切られた傷口からは、噴水のように血が立ち上って、男は地面に倒れた。
一瞬で目の前には、二つの死体が転がっている。
「まだだ、まだこっちには八人いる。こいつを殺れば、賞金がいただけるんだ。こんな奴らやってしまえ!」
大斧を持った熊族の男が号令し、左右から三人ずつ突進してきた。
急ぎ槍を死体から抜くと、左側に向けてなぎ払う。それを見てペルさんとロルベルトさんは右の敵に集中したみたい。
左の敵は間一髪で槍を避ける事に成功したけど、体勢を崩され後ずさりしている。
『メルサ……シェルアークだ』
頭の中にガーランの言葉が響いた。僕は槍を敵に向けたまま、今の言葉を叫ぶ。
「シェルアーク!」
その瞬間、まるで槍に動かされているかのように腕が動き、槍先に複雑な魔方陣が一瞬で描かれるのが分かった。魔方陣の中心には青い巨竜族の紋章があるのが分かる。魔方陣が完成した瞬間、槍先から水と風のようなものが吹き出すのが分かった。
それが敵に一瞬で到達すると、三人の体をズタズタに貫通してゆく。三人は一瞬でバラバラに四散した。バラバラになった三人の悲鳴すら聞こえず、目の前に血の海と肉塊が広がる。
「な、なんだと!」
後ろにいた、敵の一人が叫ぶのが分かった。
そのまま体勢をむき直し、後ろの敵の一人めがけて槍をなぎ払った。
槍はちょうど腹の所に食い込み、人族の男はその場に崩れる。槍が食い込んだ位置からは血が流れ出していた。槍先は、男の腹半分を切り裂いている。
「シェス!」
また魔法を唱えた。今度は風の武器魔法。
槍先が一気に軽くなり、相手を腹で両断する。上半身が大きな音と共に地面に落ちて、下半身だけが立っている。そこからまるで噴水のように、血しぶきが上がった。その下半身も、すぐにその場に崩れる。
「き、聞いてないぞ! おのれ!」
熊族の男が、僕めがけて大斧を振り下ろしてきた。
僕はとっさに槍からナイフのイメージに切り替えると、横に転がりながら避ける。その瞬間、僕が先ほどまで立っていた位置に大斧が食い込んだ。
すぐさま剣を拾い、そこめがけて突きかかる。
剣はちょうど腕を貫通して胸に当たり、腕の半分程が垂れ下がった。
先ほどのシェスの魔法を唱え、腕を切り落とす。同時に、左胸から噴水のように血が噴き出した。
熊族の男の悲鳴が辺りに響く。それをペルさんが横から切った。腹を切られた熊族の男は、その場に倒れ込み微動だにしない。
「に、逃げろ!」
残りの二人はそれを見て、慌てて武器を捨てながらその場を去っていった。
「ふぅ、何とかなりましたね」
息を切らせながら、ロルベルトさんが熊族の男に近寄る。男にはまだ息があった。正直、まだ生きているのが信じられない。
「名前は? 誰に頼まれたのです?」
男は何かを言おうとしていたが、口から大量の血を吐き、そのまま絶命してしまう。
「それにしても、さっきの技はすごいな。バラバラじゃないか。メルサ、あんな技いつ覚えたんだ?」
「ガーランの声がして……その通りに言ってみたら……」
後ろには、先ほどバラバラになって血の海になっている三人の死体がある。あまりに細かく刻まれているため、一体どこの部位なのかすら分からない有様だ。
持っていた武器まで文字通りバラバラになっていた。ちょっと吐き気がする。
「……あのドラゴンか。また救われたな。その槍には奴の魂でも宿っているのか?」
ペルさんは感慨深げだ。
「そう思えますね。でもその威力はあまりに……」
「強すぎるな」
二人の言いたい事は分かっているつもりだったけど、それよりも助かった事に安堵する。
「それに、武器魔法も教わったのか? 良くは見えなかったが、いくつか使っていたな」
ペルさんの問いに頷く。
「まあ、助かったのは事実だ。さっきのがなきゃ、俺たちがやられていたはずだ」
さすがにペルさんは今の状況を的確に判断しているみたい。
ペルさんが剣を収める。それを見て僕らも剣を収めた。
「俺は魔法が嫌いだ。得意じゃないからな。しかし、今必要なものが何なのかくらいは分かっているつもりだ」
ペルさんが一呼吸おいた。
「メルサ、必要なときはいつでも使え。確かに危険は伴うかもしれないが、黙ってやられるよりはよっぽどいい」
黙って頷く。ロルベルトさんも仕方がないという顔をしていた。
「さて、町で一杯いくか。今日からは、メルサも飲んでいいぞ!」
ペルさん言葉に従い、僕らは戦いの跡を残したまま、近くに見える町へと入っていった。
後日、ヨルムドとの国境では、この戦いが知られたのか、何の障害も無く通過する事が出来た。