表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サイコキラー探偵  作者: 三鷹 キシュン
第1話「正義を成す悪」
7/63

#005 報酬と誇り

丁度2か月前、『トラ』の幹部が依頼を持ってきた。

依頼内容は、

当時世間を賑わせていた詐欺グループから軍資金を取り返すこと。


調査した結果、詐欺グループは既に軍資金のほとんどを着服していた。

それを報告した場合の未来を考えたわたしは、

依頼主の上部の人間『トラ』にある話を持ち掛けた。

幹部といえども、血の気が多い少年の一人に過ぎない。

経験上から彼らの行動は容易に推測できる。

喧嘩の上位思考『戦争』に至ることはまず間違いなかったからだ。


わたしが提案したのは、詐欺グループの社会的抹殺。

こうして措けば双方ともに大きな被害が出ることはない上に、

万が一『戦争』になると、

報酬を受け取ることが出来ないというデメリットが発生する。

わたし自身としては、痛いことこの上ない。タダ働きはゴメンだ。

故に同情ではない。

 

まあ、敷いて言うなら。

リーダーである『トラ』としては苦渋の決断だったろうが。

軍資金を取り戻すことが出来なかった怒りへの『戦争』か。

怒りを鎮めトップとしての『メンツ』を保つか。


わたしから言わせれば、

そんなくだらない誇り《プライド》はクソみたいなものだが。


さてと。

過去の話はこのくらいにして結論を述べよう。

詐欺グループの社会的抹殺に関しては簡単だった。

調査していた資料を警察とメディアに流すことで一夜にして壊滅となった。

成功報酬として、わたしが受け取ったのは金銭ではなく・・・組織。


敢えて言うなら、最初・・・幹部から依頼された時からわたしの目的は金銭ではなく『血戦軍(ブラッド・ストリート)』という組織だったのだから。


理由については探偵という仕事柄、

情報収集は必須事項だと言えば、もう分かる筈だ。

圧倒的な人手不足を補う最良の方法『人海戦術』。

ほかの企業なら派遣社員を一時的に雇うことが出来るだろうが、

それは無理だ。

わたしの仕事はほぼ非合法だからだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ