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サイコキラー探偵  作者: 三鷹 キシュン
第3話「ホロウ・ゴースト」
59/63

#010 朧という女子学生

△謝罪報告▽

「#007」「#008」で手違いで同じ内容で投稿されていました。

今後、間違いがないように気を付けますのでよろしくお願いします。

※この報告は一週間後に消去する予定です。

黒の色ガラスに黄色で「24H」、つまり24時間営業と記された

自動扉を越えてひとり入店した赤刃は受付カウンターに向かった。

時間が深夜近いせいか、店内に人の気配はほとんど感じ取れない。

ほとんど、

カウンター越しに店番をするアルバイト店員と監視カメラからの視線を除いて。



店員として雇われているアルバイトの大半は、この店の経営者(オーナー)の顔を知らない。

雇う上で面接試験は行うものの、お店とは一切関係のない第三者が質問する。

その問答を監視カメラから経営者が覗き、

―――体の温度やしぐさ、声質から分析して雇用の合否判定をする。


朧という人間は、人間嫌いでも人見知りでもない。

何かしらの障害やアレルギーを持っている訳でもないが、「経営者」という立場上

問題があるとすれば、それは彼女が学生という一点に尽きるだろう。


女性の経営者というのは今のご時世、そう珍しいものではない。

しかし、学生がとなると過酷な事情が付き物だが彼女の場合は違う。


きっかけは「趣味」から始まったらしい。

学生の本分はよく勉強だという例えがあるが、彼女自身それほどマジメ人間でもない。

試験期間中でさえ、ほとんど教科書を手に取ることがない。

彼女の目は大抵、携帯端末かPCに向けられる。

ネット上に溢れかえる様々な話題・噂・秘密そういった類のものを収集(コレクト)し、

収集したものを彼女なりに分析と予測・予想した情報をとある掲示板に書き込みから

次第に「趣味」の枠を越えて、

合法的に情報を売買するサイトを運営するまでに至り、

―――朧という偽名(コードネーム)を使って情報屋となった。



受付で「W-1043」の鍵を受け取ると、番号と同じ個室へ入っていった。

車イスに腰を下ろすと、

そこには既に立ち上げられたデスクトップが赤刃の両目に映る。

耳にBluetoothを着けて電源を入れると、

デスクトップに表示された「Digi-Portal」というフォルダをタッチ操作で開いた。

9桁のパスワードを入力すると、内蔵されたカメラの電源がオンになると

同時にデスクトップ画面がSkypeに移行された。


Skypeの一般的に知られている基本機能は、

ユーザー間で高音質・無料音声通信が可能な点。

世界の誰からでも通話・チャットを受け付ける「Skype Me」機能。

2016年以降、テレビ電話機能が必ず付加されているなど現在2020年において

Skypeとは「無料テレビ通信」インターネット電話サービスとされる。


赤刃のモニター画面に映し出されたのは、

円の中に「朧」と書かれた中華風のロゴがクルクルと回っている映像だった。



【赤刃▼▲朧】

「こんばんは」

『もう、こんばんはって言う、時間じゃあないんだけど・・・』

「悪いね、こちらも急を要する仕事が入ってね」

『な~によ、浮かない声で・・・またメンドウな事件じゃないでしょうね?』

「今回の事件の犯人は、相当頭のキレる人物の可能性が高い。

「ネット上では連続暴行事件という扱いをされているが、

「先程、発見された遺体からは別の人物と印象付ける点が多い。

『・・・話の意図が見えないんだけど』

「調べて貰いたいのは最近、ネット上で次の項目をサーチしているユーザーを

「調査してくれ。拉致、監禁、拷問、応急処置、精神的障害。

「それと亀甲高校、認定されている学生服を入手するサイトを開いている人物。

『ああ、はいはい。検索範囲は都内、検索期間はここ一年で・・・

『え~とね、5つのキーワード検索を掛けているのは、

『都内では3人、事件現場から一番近いのは竹下進、17歳、亀甲高校の学生よ。

『学生服を入手するサイトを見ている134人、都内では20人。

『この竹下って子も検索してるわ。

「――― 一応、リストをオレのスマホに送ってくれ」

『はいはい。今回の報酬はいいわ、それよりも早期解決を急いで。

『みんな怯えているのよ。犯人が学生なら尚更、私たちの関係を続けたいなら

『報酬は事件の早期解決よ。

【朧<回線切断】


回線が切断された後、赤刃のスマホにダイレクトメールでリストが送られてきた。

リストをデータフォルダに保存し、個室を出た赤刃は上司である巌城に連絡をとった。


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