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#002 誓約
にっこり、と笑ってわたしが答えると。
彼女・・・神崎は何やら不満そうな顔つきで、
「あの、受けて頂くのはありがたいのですが・・・」
「理由ですか?」
コクリ、と頷いて神崎は尋ねた。
これから探偵業をやっていく上で未来のことを考えると、
必ずと言っていいほどそのクスリは邪魔になるだろう。
メンドウ事をここで一気に掃除しておくのも悪くない。
警察ではなく、
厚生労働省の職員に知り合いを作っておくのも悪くはない。
「あなたが好みのタイプだから、と言いたいところですが。
「こちらも商売です。
「これ以上、メンドウ事は御免ですから。
「察していただければ幸いです。
素は出さない。商談は一種の取引であり駆け引きでもある。
これは必須だ。うっかり話してしまうと商談に響く恐れがある。
「・・・・・・、わかりました」
「それでは商談に移りましょうか。
「まず、始めにこれを読んだうえで下記の記入欄に
「氏名、誕生年月日、年齢、携帯電話の番号をお書きください。
わたしは彼女の前に一枚の紙を静かに置いた。
「投稿の気持ち」
次の投稿は補足です。