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サイコキラー探偵  作者: 三鷹 キシュン
第2話「プライマリー・アシスト」
25/63

#003 猫と散歩

探偵事務所という名目で現在、

漆原のおっさん『マスター』から貰い受ける形で使っている。

貰い受ける、と言っても

家賃や電気、水道、ガス代に関しては自分で(まかな)わなければならない。


月に一度、格安家賃で3万円を大家に。

電気代は、

契約アンペア 60A=約1400円。

第1段階料金 1kW=20円で20.4kWの使用により、約400円。

基本料金「契約アンペア」+電力使用量料金「第1段階料金」=約1800円。

水道代は『マスター』持ち。

市販のガスボンベを使用しているため、ガス代はなし。


この程度なら問題はない・・・・、訳がない。

探偵という仕事は、

余程有名でなければ依頼もなければ食事にもありつけないのが普通。

その為、大概はカップヌードルか最悪は絶食になる。

または、夏希が(たま)に持って来てくれる(まかな)い飯に感謝するかだ。


そんな状態にならないために『マスター』を通じて、

数人の仲介業者がわたしのもとへやってくる。

本当に困った時は、こちらから伺うこともある。


これから会いに行くのは、わたしの事務所の大家でもある仲介人。

梟谷ふくろうたに しずか 。

しずか』という優しい名前とは裏腹に優しさの欠片も微塵もないババア。

事務所から2ブロック先の高齢者専用マンションに、孫と一緒に住んでいる。


数分前、大家に連絡を取ろうとした時だった。

電話に出たのは、婆さんではなく男声・・・孫の声だった。

今月分の家賃を収める、と言ってわたしは

神崎には仕事の初歩だと、

嘘を言ったわけではないが半ば強制的に店番を任せた。

彼女自身、真面目な性格からか。反抗なく仕事を請け負ってくれた。


少々、気に掛けながら事務所を出たわたしは大通りを抜けて

いつも通り、肩に黒猫の「月虹」を乗せて到着した。

「月虹」は、

ここら2高区『緑町タウン』の人気者で大抵は子供と戯れている。

大通りを抜ける度に出会っては肩に上ってくる。

愛くるしいところが魅力のひとつだが、肩が重いことこの上ない。

なぜ、わたしだけここまで好かれているのかは不明。


高齢者専用マンションは、ペット持ち込み規制はひかれていない。

住人がお年寄りということの他に障害者が多く暮らしているため、

介助犬と一緒に生活を送っている人間が少なからずいるからだ。


肩からわたしの頭に移動した「月虹」と共にエレベーターホールへ入る。

段差の全くないバリアフリーの緩やかな

傾いた滑りにくい新素材でできたマットの上を歩いて、

閉じた自動扉の入り口で止まる。


入り口付近のどこかに設置されている

赤外線センサーがわたしの身体を認識し、

自動扉が開くと同時にアナウンス―――『自動扉が開きました』

はっきりした口調でのアナウンスは、

恐らく耳の不自由な方への配慮といったところだろう。


見計らってエレベーターに入ったわたしは、

銀行の暗証番号を押すように次々と番号を押していく。

他に乗り合わせている人間から見れば迷惑としか見れないだろうが、

そんなヘマはしない。


『古賀さんですね。お待ちしていました』


男の声でアナウンスがあったと思いきや、

回転するようにエレベーターが異常な動作と奇怪な音をさせ、

正面のなにもない場所に切れ目が入ると。

左右にスライド、上下にスライドを繰り返して目の前に頑丈な扉が現れた。

頑丈な扉をマニュアルグリップで金庫を開ける様に右へ、左へ、右へ・・・。


面倒な手順を踏んで、わたしは仲介人―――大家の家に辿り着いた。


 「投稿の気持ち」

 探偵さんと猫、愛くるしいですね。

 ホンワカした気分で執筆。

 次回も読んで戴ければ幸いです。

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