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サイコキラー探偵  作者: 三鷹 キシュン
第1話「正義を成す悪」
12/63

#010 レッドゾーン

「もう、難しい話は終わった? 古賀さん」

待っていたのは、マスター・・・漆原玄武のひとり娘。

紫色の大人びた浴衣を着こなした女子大生、

漆原うるしばら  夏希なつきだった。


見たところ、買い物袋を持っていないようだが。

まさか・・・とは思うが―――。


「待っていたのか?」

「うん。お父さんは私が何も知らないって思ってるだろうけど。

「これでも一応、なんでも知っている『探偵サークル』の副会長だよ。

「えっへん。

夏希は腕組みをして威張り、サークルの名刺をわたしに渡した。


明誠女子大学『探偵サークル』。

No,1345 9代目副会長。

漆原 夏希。

携帯電話番号 「090-####-@@@@」


明誠女子大、この近辺で最も大きく人気のある女子大学。

生徒数は1546人。学科には、普通科。技術科。情報科。進学科。

芸術科。福祉科。生物学科の7分野に分かれ、

サークル活動が活発で有名だ。

その中で、『探偵サークル』は芸術科に属している。

3年前に起きた『麻薬騒動』の事件に捜査協力したことで、

有名を博したと聞くが。


「・・・・・・、夏希。


これは、わたしの推測の域に過ぎない。

確証はない。しかし、可能性はある。


「3年前の『麻薬騒動』事件の資料は、まだ残っているか?

「ええ。まだ、サークルの資料室にあると思うけど・・・・」

「その資料を画像保存して、送ってもらえるか。

「うん。分かった」


巻き込むつもりはない。

しかし、もし3年前の事件と今回の事件に多少なりとも繋がりがあるなら・・・。

大きな前進になる。


わたしは夏希と別れた後、ある人物に連絡を取った。

2件の捜査情報を持ち、わたしとは正反対の人間性を併せ持つ。

『絶対的な正義』を掲げる情熱の塊、警視庁捜査一課の刑事。

巌城がんじょう まつり 警部補に。





その一方、2人組の男女が路地裏の影からある人物を尾行していた。

身長は164センチ、外見は痩せ型で細身。

服装は白のワンピースに、

青味の掛かったデニムのジャケットを羽織っている。

そのせいか、彼女の存在は浮いて見えた。

なぜなら、この『危険地帯(レッドゾーン)』と呼ばれている区域(エリア)でそんな格好をしている人間は、

彼女を除いて、誰もいなかったからだ。


町の南端に位置する区域を一般的には皆、『危険地帯』と呼ぶ場所は。

警察さえ立ち寄らない完全な無法地帯となっている。

外来系の『ストリートギャング』や『マフィア』がうろつき、

密売を目的とした『銃火器』『外国人』『娼婦』などの取引、

犯罪者の隠れ蓑となっているなどの影響によって。

近年、治安の悪化が懸念されている。


そんな場所で彼女は。

誰かとデートに行くわけでもないのに、完全に浮いた彼女の外見は。

目の黒い連中や犯罪者から「狙ってくれ」と言わんばかりだ。

その上、彼女は白い錠剤を持ち歩いて路上に座っている人間一人一人に、

訊いて回っていた。


彼女の行動が正気の沙汰とは思えない異常に見えた2人組の男女は、

息と存在を殺しながら、

彼等は自分たちに課せられた仕事を全うしようとしていた。


 「投稿の気持ち」

 次回も引き続き、『尾行』のお話し。

 

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