表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サイコキラー探偵  作者: 三鷹 キシュン
第1話「正義を成す悪」
11/63

#009 ディアブロ

「分かった。

「俺も自分の娘が、薬漬けになるのは御免だ。

「知っていることを話そう。

マスターは娘のことを気にしながら話し、

一度ため息をついて話しを続けた。


「オマエも知っての通り、

「いま出回っている『合成麻薬(ヤク)』は非常に強い中毒性を持つ。

「初回服用者はハイな気分から一転、例え大人しい性格でも暴れ回る。

「服用から僅か数分で、次が欲しくなる。

「常習者になってくると、欲求が抑えられなくなり理性が飛び。

「奇声や奇行に走り、最悪は自殺を図る者が後を絶たない。

「そこまでは知っているな。

「問題はここから。若者の彼らがどうやって入手したか。

「最近はというと昔はしていなかったように聞こえるが、

「ネット上での規制や取締は年代を重ねるごとに、

「厳しくなり密輸入は難しい。

「そうなって来ると、・・・オマエも察しの通り、

「国内で作られた純国産ものと考えていいだろう。

「あとはこれを見れば、分かる筈だ。


そう言って玄武がわたしの前に置いたのは、

薄型16インチのタブレット端末。

画面には棒グラフが表示されていた。

横=Xは、5歳ごとの年齢が30歳まで。

縦=Yは、服用者数を指すと彼は言い、説明を続ける。


「これから分かることは、ひとつ。

「15歳から20歳までの服用者が、異様に多いということ。

「このことは警察と厚生労働省の職員も気付いているが、

「これを更に詳細にしたのが次のグラフだ。


捲るように画面を指でタッチして、次のページを開く。

2つの同じ棒グラフが記載されていたが、範囲が違う。

横=X線が、1歳ごとの年齢。12歳から25歳までと。

2つ目の横=X線には、10種類の職業別。

両方の縦=Y線は、変わらず服用者数を指していた。


「これは・・・・・・・・・・」

わたしは思わず、息を呑んだ。


確かにこのグラフが事実ならいくら警察が調べても、

何も見つからない訳だ。

『極道組織』のヤクザや『危険地帯』に潜むギャングはほぼ無関係。

問題なのは寧ろ、学生の方だ。

特に中学生と大学生の服用者数が異常なまでの数値が出ていた。


「悪いが、ここまでしか調べれなかった。

「はっきり言って、

「今回の麻薬騒動には想像以上の『裏』があると見ていい。

「―――――もしかすると、『表』と『裏』が逆転しているのかもしれん。


『表』と『裏』の逆転、想像したくはない。

優等生だった学生が麻薬を作っているというのは―――。


「・・・・・、信じたくはないがここからわたしの仕事だからな」


流石に『裏事情』に詳しくとも

『表事情』となってくると別ということらしい。

だが、わたしは違う。

探偵という職業は、どちら側にも堂々と足を踏み入れることが出来る。

警察以外でこういう仕事は中々あるものではない。


「夏希には悪いが、ここでおいとまさせて貰うよ」

「おう。帰れ、帰れ。貧乏人が来る処じゃないからな」

シッシ、と手を振ってさっさと帰れという。


・・・・・・、一言余計だ。

あっ、そういえばどうして浴衣なのか。

訊くのを忘れてたなあ、と思い返しながら歩く。


バーから出ると予想外の人物がわたしを待っていた。


 「投稿の気持ち」

 探偵さんとしては予想外の人物。

 皆さんは、どうでしょうか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ