須奈
日常回ですね…はい。
侵食の影響を受けて須奈 真紅は第三世界に帰って来た。
家に着くと、妹の須奈 礼央が出迎えに来た。
「ただいまー」
「おかえりーお兄ちゃん、ご飯にする?お風呂にする?それとも、わ、た…」
「よし!寝る!」
「最後まで言わせてよー!、ってか寝るなんて選択肢はないよー、はっ!そうか、私と一緒に寝るってことだね」
「そう来たか…」
「何をしているのですか、二人とも」
すると、上の妹の須奈 麗亜が奥から呆れたように会話に入ってきた。
「兄さんは早くお風呂に入って下さい、礼央は晩ご飯の準備を手伝って」
「「はーい」」
須奈の家は本当に普通の家で、両親と長男の真紅、長女の麗亜、次女の礼央の五人家族だ。
麗亜は真紅の一つ歳下で、礼央はさらに一つ歳下である。
「そうだ、見てくれよ、俺、女の身体になることができるようになったんだぜ」
と言って浅井 理沙の姿になる。
「へーこれはすごいですね、ということは…礼央!」
「イエッサー」
麗亜が礼央に指示を出したかと思うと、礼央はすぐに真紅の後ろに回り、後ろから胸を揉んできた。
「ひゃぁ!」
姿を変えるともちろん声も変わるので、中身は男なのに完全に女の子の仕草になった。
「ふむふむ、まだ成長段階ですな」
「ぁっ、ちょっと、やめ、」
(ふぁ!ちょっと!やめなさいよ!)
須奈の意識の中で本人である理沙も悶えていた。
すると、そこで親に呼ばれて、兄妹三人仲良くお叱りを受けた。
真紅と第二世界のことは須奈家の皆は了承済みだ。隠すことでもない。それにこれは仕事でもあるので、親はまぁ別にいいんじゃない?となってる。礼央は少し反対気味だが…。
勉強?中学生は義務教育なんだぜ?それに真紅は中学二年生だ。
お風呂に入って、家族団欒で晩ご飯を食べていると、麗亜が、
「そういえば兄さん、明日は避難訓練ですね」
「ん?そういやそうだな、完全に忘れてた、いやー出来る妹を持って兄ちゃんは嬉しいぞ」
「そうだね、出来る妹を持ってお兄ちゃんは幸せ者だね」
「うん、そうだね、うん」
「なんで反応薄いの!」
先ほども言ったが真紅は中学二年生だ。そして、麗亜は一年生、礼央は小学六年生だ。
「もうすぐでお兄ちゃんと同じ学校に行くんだから、ちゃんとしておかなくちゃ」
「どうするの?」
「まずは…安藤ぶっ殺す」
「やめたげてーーー!」
親友の安藤君がやばい!
「避難訓練ぐらいで何はしゃいでいるのですか」
「まぁまぁ気にするなよ麗亜、いつものことじゃないか」
「そうだよお姉ちゃん、私とお兄ちゃんがラブラブなのはいつものことだよ」
「初めてきいたな」
「いつもこんな感じだったら耐え切れませんよ」
「なんか二人とも冷たくない!?」
そんな須奈家の会話があり、食事があった。まるで真紅には何もなかったかのように。
「避難訓練か…」
寝る前に真紅はそうつぶやいた。
その避難訓練が瀬滝田中学校の生徒達にとって地獄となることも知らずに…。
after storyを読んでいただいた方には疑問に思うかもしれませんが、上の妹の名前を怜華から麗亜に変更しました。色々とあって執筆中に確認出来ないのですよ。