下呂城の戦い
ども、かつどんでーす。
二番目の力を最大限に出したい。そう思っていましたが自分ではイマイチわからないです…
下呂城の最上階、須奈が籠った部屋の前で、
「ん?何ですか?言っておきますけが、俺は例えあんたでもここを通す気はないですよ、なんたってあんたに命令されたんですからね」
部屋を守る坂木の元に現れたのは須奈であった。
もちろん須奈の分身である。
「いやいや、俺は入る気なんてないから大丈夫だって」
「じゃあ何の用ですか?」
「結構重要なことだよ?君には伝えておこうと思ってね」
「はぁ、そうですか…」
坂木は須奈のいつもと異なる口調に疑問を持ちながらも、聞くだけ聞いてみた。
「剛力軍が目の前まで迫ってきていてね、今は外にいる俺が頑張っているけどこれが大変でさ、開始20分で外の俺がすでに半分やられたよ」
「それかなり重要じゃないですか!」
「いやいや、だから言ったでしょ、結構重要なことだよって」
「いやそうですけど…って俺に何をさせる気ですか?言っておきますけど、俺はここを動きませんから、それが五大老、須奈 真紅様の命令です」
「あ、もしかして俺のこと疑ってる?でも大丈夫、ただそれを伝えたかっただけだから、この情報を聞いて備えといて欲しいだけだったから」
「はぁ、そうですか…」
「じゃあ行ってくる、護衛よろしく!」
須奈はそう言い残して去って行った。
「しかし、分身とはいえ須奈さんを簡単に殺すとはな、今のやつが本物かどうかは関係なく警戒しておかなければならんな」
剛力軍が下呂城の前まで迫ると、下呂城の門は閉ざされていた。
「ふむ、籠城か…」
「がははははは、この下呂城はそこまで強いとは言われていないが、相手はあの粉師だ、中にも分身がどれだけいることだろうな!」
「例え一万だろうが十万だろうが突破するだけだ」
「流石二番目様はかっこいいこというな!がははははは」
二番目と崎々が会話していると、
「さぁて、やったりますか」
と前方から聞こえてきた。
「がははははは、粉師が何かしかけてくるみたいだな」
「だな、おい葵軍!次は俺をサポートしろ!そして俺が合図を送ったら突撃だ!」
「「「はっ!」」」
「がははははは、こればかりは二番目様でもサポートが必要か?」
「あいつらだけなら一人でも何とでも対処できる、ただこの城を落とすとなれば話は別だ」
「下呂城を落とす…がははははは、何か作戦があるみたいだな、俺はどうすればいい?」
「お前も他の葵軍と同じく合図で突撃だ」
「がははははは、了解!」
「では、行くぞ!」
二番目は先頭を走った。
その二番目に対して塀の上に立っていた須奈達が粉で武器を作り出し、射出させた。
無数の刀、剣、槍が二番目に降り注いだ。
「防波陣」
「念動波」
「ガジュランダ」
二番目の後ろから様々な攻撃が飛んで来る。飛んで来るのは攻撃だけではない、波みたいなものが二番目を覆い、須奈の武器から守っていた。
「ちっ、やはり難しいか…って二番目じゃんあれ」
須奈は門のまえまで二番目が来るのを許してしまった。
二番目は門の前で立ち止まり、刀を前に構えてこう言った。
「免疫解除、いつでもいける」
その言葉を言った直後であった、二番目のお尻の辺りにまるで尻尾の様に青透明の物が生えて来た。
「ん?がははははは、なんだあれ?」
その青透明は段々と大きくなり、ついに二番目の身体を覆ってしまった。
「葵軍、サポート止め!これからこの城を落としにかかる!」
二番目は下呂城を落とすと堂々と宣言した。
「おおう、なんか来るのか?」
「こえーなそりゃ」
下呂城にいる須奈達は二番目の行動に警戒していた。
剛力軍からも、
「がははははは、あれは何か始まるな、全員二番目様の合図を待て!」
と二番目がすることを凝視していた。
下呂城の塀の上の須奈が粉の武器を一つ二番目に向けて射出するが、
「ふん」
バキッという音を立てて武器が止められていた。止めていたものは青透明から出た口みたいなものであった。
そして、
「やれ、偽八岐大蛇」
その瞬間、青透明のものが一気に肥大した。
さらに肥大した身体から八つの首が伸び、その首の高さは下呂城の最上階に届くほどであった。
「「「うわぁぁってうおおおおおおおおおおお!!!!」」」
叫び声をあげていたのは須奈であった。
剛力軍は全員が無言で見ていた。
八つの首が生えてくると、その頭を一斉に下呂城に突っ込んだ。
「ちょ、ぐあああああ!!!」
「ぐはぁ!」
「ちっ、ヤバイな…」
一本は門を、一本は敷地内の須奈を、二本は塀を、残りの四本は下呂城を攻撃した。
門も、塀も、その物量に負けて砕ける様に破壊された。
「葵軍、突撃だ」
二番目は合図を送った。それは彼の言った通り、突撃の合図であった。
「がははははは、葵軍、突撃ー!」
「「「おおー!!」」」
下呂城の門は破壊され、さらには塀までもが破壊されたため、防御機能は皆無であった。
そのため突撃して来た葵軍はなだれ込む様に城内に入ってきた。
「おお、これはこれは、大変なことになってきたな」
現在の下呂城はその半分が破壊され、門や塀もなくなった丸裸の城になった。
これは城の意味を無くしたため、落城したことになる。
こうして、下呂城は戦が始まってほんの数十分で落城した。
「例の奴を少し早くしないとやばいかな?」
だがそこにいる須奈 真紅の数は剛力軍を上回っていた。
「…半分は削り取るつもりだったんだがな」
城と門と塀を破壊したあと二番目は一本の首を残して全てのヤマタノオロチモドキの首を頭上に戻した。
そしてその残りの一本というのは、下呂城の最上階に攻撃させた首であった。
最上階にいたのは須奈が一人と、その須奈がいる部屋を守る坂木だった。
「ぐっ…一体こいつは何なんだ?」
下呂城最上階にて、坂木がヤマタノオロチモドキの首を防いでいた。
そのおかげで下呂城は全壊せずに済んでいた。
「………」
坂木はこのヤマタノオロチモドキの首を防ぐのが手一杯であり、動けないでいた。
「……ぐっ」
坂木は少しずつ押されて行き、須奈のいる部屋の扉を背中に感じるほどまでに後ろに下がっていた。
すると、後ろからパタンッと音がして、坂木は後ろに吸い込まれる様に倒れた。
「うおっ!うおおおおお!!!」
坂木はいきなり倒れたことに驚いた後、彼の目の前を通過するヤマタノオロチモドキの首に驚いていた。
そしてその首が向かうのは中にいた須奈 真紅であった。
「全くもって無意味だ」
ヤマタノオロチモドキの首は須奈に突撃する。
しかし須奈は一切避けずにこれを真正面から受けた。
須奈は少し浮かんだ後、ヤマタノオロチモドキに食いちぎられ、上半身だけになった。
しかし、
「ほらよっ!」
「プラシドごっこ!」
部屋の両端から須奈が現れ、粉で武器を作り、ヤマタノオロチモドキの首を攻撃した。
ヤマタノオロチモドキの首には二本の刀が突き刺された。
しかし、ヤマタノオロチモドキには何の変化もなかった。
「んあ?こいつもしかして…坂木!」
須奈はすぐに違和感に気付いたらしく、ヤマタノオロチモドキの首の下にいる坂木の名を呼んだ。
すると、ちょうど坂木がいる場所のヤマタノオロチモドキの首が一瞬で斬られた。
「流石古田の糸で作られただけはあるね、なんでも斬れるや」
「だからってこんな奴を斬れるとはおもいませんでしたが…」
「いや、こいつは斬れるよ、それより見てよ、首が斬られたにも関わらずに特に暴れることもなくそこにいる首の断片だよ、おかしくね?」
「身体が半分に食いちぎられても特に何もなかったかのようにしてる人が何を言っているのだか」
頭を斬られたヤマタノオロチモドキはその場から動かなかった。
胴体から切り離されたヤマタノオロチモドキの頭を見ると、それは溶けるようにしぼんでいた。
「んで、何がおかしいんです?この首の断片が動かないのがおかしいんですか?」
「普通生き物なら首を斬られた直後は反射とかで暴れまわるはずなんだけどな、だがさっき俺が刺した時も全くの動きなしだったよな」
すると、そこでヤマタノオロチモドキの首に動きがあった。
その動きとは引きあげることであった。
頭を斬られたヤマタノオロチモドキはそのまま戻っていったのである。
「やっぱりね」
「まだ動けるのか…」
「いや、あれは動けないじゃなくて動かなかっただね、そして多分首のところを攻撃されても何もダメージはないと見た」
「は?それってどういうことですか?俺やあんたの攻撃は無意味ってことですか?」
「そう、全くもって無意味だ、そして多分あれは俺と同じような仕掛けだね」
「あなたと同じって恐怖以外の何者でもないですね」
「そう、だって二番目が言ってたよね、あれはヤマタノオロチじゃなくてヤマタノオロチモドキだって、あの姿は偽物ってことだね、きっとまた再生するよ」
「ということはあれをまたされるのですか、あれをまた受けたら下呂城は完全に落城しますね」
「もう落城状態だと思うのだが」
「あれを倒すのはやはり本体である二番目を倒すしかないってことですか…」
「そうそう、ほかのはただの偽物、幻影…質量を持った残像?」
「作戦はあるのですか?」
「そんな即席には作れないけど、はじめから温めてある作戦があってね、下呂城がこんな早く落城するとは思わなかったからまだ準備ができてないけどそろそろかな」
「何を画策してるんだ?」
「それは見てからのお楽しみ~、それより逃げる準備でもする?」
逃げる準備、それは須奈がその下呂城においては完全に敗北したと坂木に告げたのと同じであった。
プラ/シド




