浅井 宇閣
あの、これ、after storyの護衛編まで読んでから読んで下さいね。
じゃないとわけが分からないので。
浅井 宇閣という人物はとにかく生真面目な性格だった。娘が2人いるが、その娘達よりも仕事を優先するような人物だった。だがその性格によりこの米原城の城主を任されていた。部下達からも信頼されていて、人の上に立つ人物としては須奈 真紅よりも向いていた。須奈 真紅よりも向いている人物は人類の半分以上はいるだろうが…。まぁ古都野よりも向いていた。
「戦の様子は?」
米原城の一室で、浅井 宇閣は前線の様子を探りに行った配下達と作戦会議をしていた。この部屋からは戦場の全体が見渡せるようになっている。
「はっ、我が高山軍が押しています、古田軍はあの逃げの陣になっており、奴らが退却するのも時間の問題でしょう」
「そうか、だが何か策があるかもしれないから用心しておけ」
「承知しました、しかし殿、古田軍の総大将は新人と聞きます、まだ配下達に信頼されてないのでは?だからこそ逃げの陣なのでは?」
「そうかもしれん、だが古都野がいる、奴はよく藤原の代理を務めていたらしい、油断はできん」
「確かに、その通りですね」
「それよりも奴らの別働隊はどうだ?野戦に気を取られすぎてこの米原城を直接攻撃されるかもしれんからな」
「それなら大丈夫でございます、今のところ別働隊の気配はございません、たった今奴らの偵察隊を捕らえたところでございます」
「偵察隊か…」
「こちらの様子を伺いながらの戦いとは、いかにも新人が行いそうなことですね」
「そうだな、だが相手の出方を事前に知ることは戦でかなり有利になる」
「なるほど、では一応、別働隊には用心しておきます」
「ああ、そうしてくれ、別働隊にたった一つの出入り口を攻撃されたら外の主戦力は壊滅するからな」
と、そこでその会議している部屋、宇閣達がいる部屋のたった一つの出入り口の扉がいきなり、いや、そっと開いた。というより開けられた。
宇閣達が何事かと見ると、警備兵が殺されていて、須奈 真紅がそこに立っていた。
「何者だ‼」
宇閣の配下の一人が叫ぶと、須奈は、
「くっくっく」
と笑って答えた。
「なよいな係関いさのこ、よーどけだ話いしかず恥てんなる入らか襖と々堂が師粉」
「何をいっている…」
「だんって紅真 奈須、人一の老大五は俺」
そして須奈は一歩部屋に入って、
「なだ閣宇 井浅が奴の中ん真番一」
「だったらどうする?」
「え?殿、分かるのですか?」
「るす戴頂命おらたっだ」
「そうか、だが命を落とすのはどっちかな」
宇閣は立ち上がり懐の刀を抜いた。その刀はただの日本刀に見えるが、その刀身は濡れていた。
そして、その刀ですぐに須奈を斬りつけた。須奈は特に反抗することもなく真っ二つに斬られた。
「なっ⁉いつの間に、宇ーかーくー」
それが最後の言葉であったかのように須奈は血を流して倒れた。
「何だったんでしょうか?いまのは」
「例の新人らしいが…!」
っとそこで宇閣は目の前にいる者に気付いた。見ると、そこにはたった今宇閣が斬り捨てた死体と全く同じ人物がそこに立っていた。
「くっくっく」
と、そいつは、須奈 真紅は、
「なよいな係関いさのこ、よーどけだ話いしかず恥てんなる入らか襖と々堂が師粉」
と、先ほどと全く同じことを言った。
「だんって紅真 奈須、人一の老大五は俺」
「なぁお前、お前は後何人いる?」
「んお?えーと、えーと、じゅうたち?………もういいや、後ろには十三人いる、まぁリクエストにお答えして何人も増やすけどな」
「つまり、終わりはないと」
「いや、終わりはあるぜ、お前らが死ねば終わる」
「そうか、だがお前が増える前に全員殺せばいい話だ」
「おいおい、そんなことできるのか?その刀にだって寿命があるだろ?」
「ふっ、この刀はな水分を吸うと切れ味が増す刀なんだ、例えば、お前の血とかな」
「おっと、それは怖い」
「それに俺は浅井だ、お前も粉師なら知ってるだろ?浅井の一族は水を操る超能力を持っている、濡れた物は粉に出来ない粉師のお前にとってこれほどの天敵はいないだろ?まぁ水を操るといっても俺は弱いけどな、どちらかといえば、娘達の方が多くの水を操ることが出来る、それに浅井 克也様と比べれば俺は足元にも及ばないぞ」
「浅井 克也…」
浅井 克也、その名前を須奈が忘れるわけがない。須奈に憑いた藤原を追い詰めたその名前を。
「それにこの部屋にいる皆でやればここを突破することも出来るかもしれないからな」
「さぁどうだろうね、まぁ頑張れ」
「では、皆、行くぞ」
と言って宇閣は目の前の須奈に斬りかかった。そして後ろにいた宇閣の配下達も宇閣に続いて須奈に斬りかかった。
今思いましたけど、相手の状況を探りながら戦うのって基本ですよね。