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3話


【群の(ハーレムキング)

効果……気持ちの昂ぶりをトリガーとし、自らの能力を飛躍的に上昇させる。


なんだそりゃ?


現れるゴブリン共を粉砕して、少し休憩というところで俺はさっそくスキルを調べてみていた。因みに、この目の前に現れてる画面は俺以外には見えないようなので、理沙さんや、咲夜さんに俺のスキルがバレる心配はない。

というわけでスキルの説明を読んだ訳だが、もう一度言う、なんだそりゃ?

とにかく表現が曖昧だ。気持ちの昂ぶりとは言うが、そんなこと言ったら現在進行形で俺の気持ちは昂ぶっている。美人美少女ペアーと行動を共にしているのだから当然だ。

だが、それで俺の力が上がったかと言われればそんなこともない。

う〜ん、よくわからん。まぁ、わからんことはとりあえず放っておくに限るな。



「この調子なら何とかやっていけそうか。」


「そうですね、ゴブリン程度なら余裕そうです。でも、スキルって地味に代償が大きいですね。体力的には余裕なのに、精神的に少し疲れました。」


見目麗しい理沙さんがお疲れになっている!!

これは男として何かして差し上げなければ。具体的にはマッサージとか。


「え、えっと理沙さん。」


「うん、なぁに?」


(よし、頑張れ俺!!)


「つ、疲れたなら。」


「うん。」


(マッサージをして差し上げるんだ、俺!!)


「き、今日はもう休んだ方がいいのでは?

無理してもなんですし。」


(俺の意気地なし!!)


はぁ、わかってはいたよ。俺にそんなイベントが期待できないことくらい。でもこんな綺麗な人が近くにいるんだから、期待するなって方が無理でしょ。


「そうだな。今日はどちらにしろ様子見のつもりで来たんだ。そろそろ引き上げるとしよう。」



ガサガサ ガサガサ


俺達が帰ろうとした瞬間、ゴブリンの時とは比べ物にならないほどの大きな音が響いた。


"大猪"


名前にそう表示されたそいつは高さが俺の身長程もある巨大な猪だ。


「やばい!!」


俺は咄嗟に猪の前脚を掬い上げ、転ばす。猪は油断していたからか、簡単に転倒してくれた。

幸い、ここは町からそう遠くは離れていない。町まで逃げれば助かる可能性は高いだろう。

さて、ここで問題となるのがこの猪くんだ。さすがに俺達がこの猪を振り切って逃げ切れるとは思えない。ではここで選択肢。


→逃げる

 命を賭けて猪を足止め


「ここは俺が食い止めます。だから二人は町まで逃げて下さい。」


女の子は宝物。そんな大切なものを失うわけにはいかない。さよなら、俺のハーレムライフ。こんにちはデッカい猪。


「そんなことできないですよ!!」


理沙さんは優しいな。でも早く逃げてくれないとせっかく転ばした猪が起きあがっちゃう。


「俺に、強がらせてください。」



「……行こう、理沙。」


「でも!!」


「柳牙くん絶対に死ぬなよ。」


それだけ言い残して咲夜さんは理沙さんを連れて走り出した。それと同時に猪が立ち上がり、咲夜さんと理沙さんを追いかけようとする。


「始めまして、猪さん!!」


精一杯の憎しみを込めて腹を蹴り上げてやった。


「俺のハーレムライフを邪魔しやがって。」


だが、いい方に考えればこれは試練だともいえる。これで俺が帰った暁には二人は俺にメロメロに違いない!!


「悪いが猪くんとはお友達にはなれそうにないんだ。」


絶対に生きて帰ってメロメロにしてやるんだからな!!












「はぁはぁ。」


猪と闘い始めてから随分と経った。基本的には猪の突進を避けて、猪が何かにぶつかったらその隙を見て殴りつけるの繰り返し。何回かそれを繰り返しているけど猪のHPはまだ半分も減ってない。それに対して俺は徐々に体力的な限界が近づいてきている。


「でもこれでそれもお終いだ!!」


俺が今いるのは崖のふち。これで馬鹿な猪が突っ込んでくれば俺はそれを華麗によけて猪は崖の下にに真っ逆さま。俺は町に帰ってウフフフ。完璧だ。


「ギュモーーー!!」


愚かにも突進してくる猪。これで俺の勝ちだ。


「って、え?」


避けようとした瞬間に体がふらつく。何も今、体力の限界がこなくてもいいのに!!

だけれど、俺も維持を見せてギリギリのところで避けて見せた。と思った。


「待て待て待て、ふざけんな!?」


制服が猪の牙に引っかかりそのまま猪に引きずられていく。


「ぎゃーーー!!!!」


俺はあっけなく、猪とともに心中してしまった。

遥か下に見える地面。


(……死んだな。)


はぁ、選択肢を間違えたか?

でも後悔はしていない。






     バッドエンド?











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