包括センターへお願い
母に電話した。
「今度そっちに帰ってこようと思うんだよね」
「何言ってるんだい。法事はあんたに関係ないだろ。口を出すんじゃないよ」
母の口調はきつい。警戒している。
なら、準備や調整、渡す商品も自分で手配しろ、と思ったがそれは言えない。キレるだけだ。
「包括センターの人にあいさつしたいと思っているんだ。この間会えなかったし、お母さんは目も悪いし高血圧だし糖尿でしょ」
「体調いいよ。それにこの間、家に来たよ。必要ないよ」
母は元気だ。年寄り限定西鉄パスのフリーパスが一か月五千円で買えるらしい。そのおかげで、バスでどこにでも行く。ゆめタウンと岩田屋がお気に入りだ。
「そうはいっても、アナタはおばあちゃんだからね。いつ体調不良になるか分からないよ。そのために顔合わせはしたいんだ。なにかあってもわたしはすぐに行けないから。実際行くのは担当の人でしょ」
「そうだね」
母の許可を得て休暇を取る。包括センターには予約をした。もちろん行く。あの言い訳もウソではない。今すぐ行く必要もないと思うけど。糖尿の恐ろしさは知っている。目が悪くて手術をしている。これって、糖尿病が進行しているってことだ。本人には言えないけど。
思うことはそれだけではない。
包括センターを予約した。そのあと、伯母さんに夕方行く旨をラインで伝えた。予定を入れないで、と。
わたしは武器を手に入れている。なんとかなるはず。あとは叔父さんに連絡がきて、叔父さん夫婦が同席してくれれば話は早い。二人はつながっているから、多分大丈夫。
福岡空港からレンタカーで包括センターへ行った。上津の市民センターの横。包括センターには何度も行っている。今回、担当の久住さんはちゃんといた。早速相談をした。
冷蔵庫が壊れたと思ったとき、何度も電話がかかってきた。思い込みが激しく、でも近所の人に頼ることをしないでわたしに何度も電話をかけてくる。そんなとき、冷蔵庫を見に行ってくれないだろうか、というお願いをしたかった。でも、そんなことまでは仕事のうちに入らないだろう。便利屋ではないのだから。顔色を見る。
わたしが行きますよ、って言葉が欲しかった。が、そんな言葉はくれない。
そこまで踏み込んでくれる感じはしなかった。
「全ての悩みを娘さん一人に集中して行動してくるんですね。頼れる人が娘さんだけだから、しんどいってことですよね。なにかあったら、相談してくださいね」
相談して、どういう解決をしてくれるのか。その先はなかった。愚痴を聞きますよってことだろうか。愚痴を聞いてほしいわけではない。
母の病気が糖尿であることを伝えて、倒れてないかの定期的な訪問をお願いした。2週間ごとの訪問をしているらしい。2週間か、間隔が長いな。
まあいいか。デイサービスやヨガをしている。欠席の連絡がなかったら、きっと職員が見に来てくれるはず。体調が悪くても、誰かが見つけてくれるだろう。




