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okie-dokie-oaktree-orcishdress-号泣でっしゅ2

「配当凄いことになりそうだ。良かったね兄さん」


 草臥れ過去形のディアブロが心底祝ってきてむかつく。もっと悔しがれ。


「そうは言っても僕の勝負運なんてたかが知れてるしね。今回だって大損だよ。やっぱり兄さんには叶わないさ」


 涼しげに言いやがって。今に悲痛な顔で懇願させてやるぜ。


「流石、どんな相手にも手を抜かない、王者にふさわしい風格だね。ところで悪魔側が勝ったけど僕たちの間で何を賭けるか決めてなかったね。どうする」


 ぐぬぅ。勝負に勝って試合に負けてしまった。てかおかしくね?1試合目の後は、神様と悪魔の勝負がほとんどイコールで俺と草臥れ過去形の勝ち負けに直結してるじゃん。

 個人ではソテー氏応援して勝って、団体では神様応援して負けてって頭が追い付かんのだが。関係なく賭けさせて欲しいぜ。


「それじゃ僕が勝てないよ。自分で選択が自由になったら、必ず兄さんなら運命を掴みとってしまうだろ」


 何だその物語の主人公みたいな。俺が掴めるものなんて象徴(シンボル)くらいさ。もしくは隠喩(メタファー)だな。山とか谷とかすりこぎとか駒込ピペットとかな。比喩表現を掴みがちだな。脱法が得意だからな悪漢は。


 まあ、いい。お前が、せっかく、初めて、やっと、なんとかギリギリスレスレ1勝したんだ。賭けるものも好きに決めたら善いさ。白紙の小切手渡す様なもんだな。器の大きい悪漢(おとこ)だぜ俺はよ。


「へぇ、()いのかい?悪いねぇ。じゃあちょっと考えてみるよ」


 善い、いやさ悪い顔で笑う。何を企んでる?これでシッポを出してくれりゃ善いんだが。狡猾になったなしかし。あんなに無邪気に俺の無茶振りに付き合ってたのに。


「ごめんねー負けちゃたー」


 ほんわかモードの訓練所おねーさんが舞台から降りてこちらに来た。全裸で。ぜひ色気のある状況の時にまたお願いしたいぜ。いや、時と場所を選ばんがな俺は。

 今は、神様側なのにソテー氏に賭けて儲けた罪悪感でそんな気分ではないが。謝られても困る。


「ピギィ。勝ちましたあなたの期待に応えられたでしょうか」


 誉めて下さいと言わんばかりに幼生ソテー氏がこちらに来た。いや、草臥れの方に行きなさいよ。こちらに報告に来られても。おねーさんもゆるゆるのままソテー氏祝福してるし。


「そりゃ兄さんが総取りだからね。音頭を取るのも兄さんさ」


 まるで俺が主催かのように。反逆ととられないよな?ギルティ食らう前にこのあぶく銭をみんなにばら蒔いて下々に還元せねば。


 頭をチリチリカールにしながら屋台をやってたマッドアルケミストグルメその他料理人商売人志望の少年少女にに大金掴ませ、観客に食い物を配るよう指示。お手伝いしてたルーシーちゃんや無食子(ドングリ)這鼠刺(ラットマン)の連中を使って大量に捌かせた。倍率エグかったから手伝い連中の分も配っても全然減ってないが。

 残りは、図書室のちびっこたちへの寄付にでもするか。結局お小遣いすっからかんになったな。まあ、悪漢らしくて善いさ。


「1つ」


 ……いつの間にかいた宿屋おねーさんが何か呟いて去っていった。え、何。何が1つなの。どういう?善い意味悪い意味どっち?こえぇよあの人ォ!流石のおねーさんズ最恐だよ!

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